新型コロナウィルスの流行により、2020年度以降急速にテレワークを導入する企業が増加しました。
しかし、2022年度は非常事態宣言も解除され対応策が定着しつつあることから、企業側にも落ち着きが出てきており、テレワークから従来のオフィス出社型に戻す企業が増えています。
出社型に戻す企業が増えている要因としては、
- コミュニケーションが取りづらい
- 勤務状況が把握しづらい
- 従業員側からも出社したいという意見が増えている
- テレワークに適したIT環境が整っていない
- 仕事の生産性が明らかに落ちているため
などの理由かが多いようですが、いずれもテレワークを導入してみたからこそ見えてきた課題なのでしょう。
特に、コミュニケーションが取りづらいという意見が多く、仕事を円滑にすすめるためにもすぐ会話できるような環境が改めて求めらているようです。
そこで新たな働き方として注目されているのが、「ハイブリッドワーク」というテレワークとオフィス出社型を両立するハイブリッド型の働き方です。
この記事では
- ハイブリッドワークの解説
- メリット・デメリット
- 考慮しなくてはならない課題
- 導入する際のポイント
などを解説していきます。ハイブリッドワーク導入する際にリスクを軽減しながら実施できるよう、担当者様のお役に立てればと思います。
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Contents
そもそもハイブリッドワークとは
ハイブリッドワークとは
- オフィスへ出社して働くオフィスワーク
- 自宅等で働くテレワーク
を組み合わせた働き方です。両方のよいところを取り入れているのがポイントになります。
たとえば「週5日の勤務日のうち週3日はオフィスワークとして出社、残り2日はテレワークで自宅勤務する」といった働き方がハイブリッドワークの事例です。
ちなみにハイブリッドワークで組み合わせるのは、「オフィスワーク×在宅ワーク」だけではありません。
- コワーキングスペースでのテレワーク
- 外出中のモバイルワーク
といったさまざまな働き方を組み合わせながら自由に働けるのがハイブリッドワークの強みとなっています。要は「オフィスワーク×その他オフィス以外での勤務形態」の組み合わせがハイブリッドワークです。
なぜハイブリッドワーク導入企業が増えているのか?
新型コロナウイルスの感染拡大は、今まで導入をためらっていた中小企業のテレワーク普及を後押ししました。しかし新型コロナウイルスへの対策が定着して状況が落ちつつある状況を踏まえて、オフィスワークへ体制を再び切り替える企業も増えてきています。
テレワークのみの勤務だと、
- コミュニケーションがとりにくい
- 機密性のある情報をやり取りできない場面がある
- 自宅だと集中できない人がいる
というデメリットが出てきます。しかしオフィスワークへ全面的に切り替えてしまうと下記のような課題が出ます。
- そもそもテレワークへ切り替えていたので切り替えの際にコストが掛かる
- 出社できない、出社が難しい人員へ負担を掛けてしまう
- 社内に人が増え過ぎると感染リスクが上がる
- テレワークという働き方を求めていた社員のストレスがあがる
といったネックがあります。
そこで両方のよいところを取り入れて「ハイブリッドワーク」として定着させようという動きが広まっているのがポイントです。
働き方が1つに限定されていない現代において、ハイブリッドワークの運用は多様的な働き方推進やDX化などへ多大な影響を与えます。
新型コロナウイルスの猛威は依然として脅威です。落ち着いているように見えてピークが過ぎてはまた来る、といったように、完全な収束にはほど遠い状況です。
こういった状況でオフィスワークへ全面的に切り替えるのは適切ではないと言えるでしょう。柔軟な働き方を広めながら再びの感染拡大へ対応するためには、ハイブリッドワークとしてリモートワークとオフィス出社の両立をするための整備が急務となっています。
ハイブリッドワークのメリット
ハイブリッドワークには次のようなメリットがあります。
人材確保につながる働き方の多様性の実現が可能
グローバルな人材確保のためには、オフィスワークにとらわれない働き方を実現する必要があります。ハイブリッドワークは、
- オフィスワーク中心で働きたい
- テレワークで遠方から安心して働きたい
といったさまざまなニーズへ対応できる働き方です。
結果的に導入によって従業員満足度が上がり、働き方多様性を確保できるのがメリットになっています。また離職リスクを減らしながら人員を長期間雇用しやすくなる点もメリットです。
IT人材不足は深刻化しており、2030年には最大79万人ものIT人材が不足するという経産省のレポートも発表されています。IT業界経験者の採用が非常に難しくなっており、どの企業でも中途採用ができないといった声を多く聞くようになっています。まずは、従業員が流出してしまわないように社内環境を整えることが重要になっています。
そのような状況からも、人材を確保するための間口を広げることが必要となっているのです。
オフィスワークとテレワークのデメリットをカバーできる
オフィスワークとテレワーク、双方にメリット・デメリットがあります。どちらか両極端な働き方に統一していると、デメリットによって損害が発生するリスクもあります。
1人1人がハイブリッドワークで適した働き方をすることで、オフィスワークとテレワーク双方で発生するデメリットをカバーしながら、メリットを最大限発揮できるのがポイントです。
たとえば「Web会議では話せない議題が出てきた」という際はオフィスに出社して、直接会話をすれば問題は解消できます。
感染症対策にもつながる
新型コロナウイルスの感染が社内で発生してクラスターになるのは最悪です。企業の社会的信頼性が失墜する原因にもなります。また、多くの人員が感染してしまうと業務が正常に進まないという事態にもなりかねません。
オフィスワークのリスクを減らすならば、社内にいつも従業員がひしめき合う状態を防がないといけません。不必要な出社をハイブリッドワークで制限して必要なときだけ呼び出すことで、社内に出社する必要があっても安全に働けるのがポイントです。
また、従業員が分散して出社することにより、社内にいる社員数を制限することができますので感染リスクを軽減することが可能です。
新型コロナウイルスの感染が収まっていない現状では、ハイブリッドワークを活用し出社人数を調整することが重要になっています。
DX推進にもつながる
ハイブリッドワークの実現には、デジタルツールの活用が必須となってきます。
- Web会議ツールで遠隔から話せるようにする
- チャットツールで納品・取引先と会話を済ませられるようにする
- 勤怠ツールでリアルタイムの勤務状態把握が可能になる
- 書類などのデジタル化をしてリモートでの対応を可能とする
といったツール導入・活用によって、デジタル改革であるDXも進められるのがポイントになっています。
DXによってすぐ迫っている2025年の壁による損失を防ぎ、社会的責任を果たすためにもハイブリッドワーク導入によるDXの遂行は必要です。
参考:経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」
ハイブリッドワークのデメリット
ハイブリッドワークには次のようなデメリット(課題)があります。
1人1人の勤務状態の把握が難しい
ハイブリッドワークでは1人1人の「オフィスワーク:テレワークの配分」や、勤務日などが変わってきます。柔軟性の確保にはそれを支える体制の整備が必要ですが、アナログなやり方では勤務状態を把握できません。
そのためどこにいても従業員の状態や勤務形態などを確認できるツールを導入する必要があります。ツールの機能や価格、対応企業規模などは違うのでよく選定する必要があるでしょう。
セキュリティ対策を進めるといった対策を行う必要がある
ハイブリッドワークの導入・運用には
- 1人1人が安全に社内システムへ接続できるセキュリティ対策が必要
- テレワーク実行に当たって法人用PC・スマートフォンなどを用意する必要がある
- オフィスと外部からのセキュリティ対策を両立しなくてはならない
といったデメリットがあります。
セキュリティ対策や設備投資にはコストが掛かりますが、事前に対策内容や必要設備数などを把握しないとコストがふくらみます。事前準備に時間を掛けられるようにしておくと安心です。
就業ルールを再構築しないといけない
従来オフィスワークを生業としてきた企業では、就業ルールをハイブリッドワーク用に再構築する必要があります。
- どの従業員を対象とするか
- 週何日出社させるのか
- 緊急時にどういった対応を企業側で行うのか
といった点をルールへ落とし込み文章化・共有しておきましょう。共有しないとトラブルが起こり、従業員から不満が発生する可能性があるので注意してみてください。
また、交通費の支給など、リモートワークの割合が多いと考慮しなくてはいけないポイントが出てきますので注意が必要です。
コミュニケーション不足が発生するリスクがある
オフィスワークメインにしろテレワークメインにしろ、ハイブリッドワークの活用にはコミュニケーションの確保が必要不可欠です。働き方に多様性がある分、特定の従業員同士がまったく会話したことがないといったトラブルが起きる可能性があります。
一度全従業員が顔を見せるイベントを行うといった対策を行い、従業員同士のコミュニケーションがおろそかにならない、そして会社への帰属意識がなくならないように工夫する必要があるでしょう。
ハイブリッドワークを導入する上でのポイント
ハイブリッドワークを導入する際は、次のポイントを踏まえておきましょう。
ハード・ソフトウェア面などで環境を整備する
ハイブリッドワークの導入には
- PC・スマートフォン
- モバイルWi-Fi
- その他デジタルツール
などの導入が必要です。
ハード・ソフトウェア導入に当たっては
- BYOD導入でコストを削減できないか
- 法人用の回線契約でコストを削減できないか
- デジタルツールは従来使っていたものと同じあるいは近いものを使えないか
といった点を確認すると安心です。
BYODによって従業員の所有端末をそのままハイブリッドワークへ使えます。また法人用の回線契約では、ディスカウント割引などが受けられるのがポイントです。普段使っているデジタルツールをアップグレードしたりして環境整備ができると、操作面でも安心できます。
ただし、安易にBYODを活用してしまうと、セキュリティ対策などの漏れが出てしまいますので、慎重に対策を検討しなくてはなりません。
セキュリティ対策を見直す・意識向上を行う
セキュリティ対策においては、
- ツールごとに従業員のアクセス権限を定める
- 二段階認証を導入する
- PC・スマートフォン持ち込み時のルールを策定する
といった方法が有効です。
また実際にハイブリッドワークを利用する従業員のリテラシー向上も重要になります。
- 講習を行う
- ルールにセキュリティに関する注意事項を入れる
- 問題があった際にどうやって対応すればよいのか手順を決めて共有しておく
といった点を確認・整備しておくと、従業員も意識向上しながら安心してハイブリッドワークを利用できるでしょう。
従業員といっしょにルール構築を行う
ハイブリッドワークが従業員にマッチングするように、従業員の意見をヒアリングしながら制度を構築する必要があります。
- 現状どのような課題があるか
- ハイブリッドワークでどのように解決できるか
- 出社と非出社の割合はどれくらいがちょうどよいか
といった点を制度へ落とし込むと導入がスムーズに進むでしょう。
ルール構築においてはハイブリッドワークの専任担当者を用意できると、ハイブリッドワークの浸透率が上がります。
ハイブリッドワークは今後どうなるのか?
既に一般的な働き方の1つとなっているテレワークがなくなるというのは考えられません。というのもデジタルツールの発達によってコミュニケーションといった面でのテレワークの課題が解消されつつあるからです。
どこからでも働けてコスト削減等にもつながるテレワークをなくすというのはビジネス的にもメリットはありません。
そこで当分はデメリットをオフィスワーク導入で補いつつ、将来的なテレワークメインの働き方を準備する企業が増えていくでしょう。ハイブリッドワークの導入は、テレワークメインになるであろう将来的なビジネスへの足掛かりとなります。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のためにも、企業的責任を果たせるハイブリッドワークの導入は有効です。じっくり体制を整えて、ビジネスで損害を被らないように準備すると安心です。
またハイブリッドワークの導入についてデジタルツールの選定・導入も進めておいてください。
まとめ
ハイブリッドワーク導入については従業員側のメリットもたくさんあり、テレワークでコミュニケーション不足となるといったデメリットも軽減されます。企業側にとってもオフィスのあり方を変えるような施策になりますから、とても大きなターニングポイントとなるでしょう。
意外と見落としがちなのは、大きな環境の変化に対応するべく情シス(社内SE)が奮闘することとなり、急激な負荷がかかってしまっていることです。
ハイブリッドワークを導入するためには、
- 社内、社外からセキュアに接続できるネットワーク環境の構築
- 社用デスクトップPCからノートPCへの切り替え又は、個人端末のセキュリティ対策
- コミュニケーションツールの導入
- ファイルサーバ環境の見直し(オンプレ、クラウド)
- 出退勤管理の変更
などなど、対応しなくてはならないことが山のよう出てくるでしょう。もし、情シス担当者に任せっきりにしてしまっていると、知らぬ間に担当者の負荷が限界を超え、体調を崩したり、急な退職といったことにもなりかねません。ハイブリッドワーク導入に向けて情シスの体制を改めて見直してみましょう。
特に情シスもハイブリッドワークとしてテレワークの日があるのであれば、社内のサーバやPC環境にリモートでアクセスできる環境が必要になります。情シスとして社内IT機器やソフトウェアのリモート環境の整備も必要です。
もしどこから対応していいのか悩まれている場合は、導入実績の多い情シスアウトソーシングサービスに相談されてもよいのではないでしょうか。
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