突然、気がついたら社内のネットワークに接続できない、VPNに接続できず社内の書類にアクセスできないというトラブルが発生したことは、誰しも経験があるのではないでしょうか。
急にトラブルが発生すると、焦ってしまい気が動転してしまいどのように対処すればいいのか困ってしまうというケースが圧倒的に多いようです。
特にオフィス勤務ではなくリモートワークが中心となっている企業の場合、社内ネットワークに接続できないと業務が進まないといったことになりかねません。自宅から社内ネットワークに接続していると社内とはネットワークの仕組み・経路が違うため、トラブル解消まで時間がかかってしまうことも多いのです。
実際、自宅からネットワークに接続していた場合、自宅の環境は情シスやヘルプデスクが把握できていないため自分自身である程度の切り分けをすることが問題を早期に解決するための必須条件なのです。
具体的なトラブルシューティングは社内IT担当者や情シスがしてくれるでしょうが、想定されるトラブルの原因や基本的な解決方法を理解しておくと、多くのケースは自力の対応が可能です。
また、情シスや社内担当者へ連絡する際に障害内容を詳しく説明することができれば、トラブル解決までの時間が短くて済むようになるでしょう。
今回はVPNに接続できない、社内ネットワークに接続できないというトラブルで、よくある原因とその対処方法を詳しく解説しますので、お役に立てればと思います。
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Contents
社内ネットワークに接続できないトラブル・原因とは?
社内ネットワークに接続できないトラブル・原因としては、主に次のようなものが考えられます。
自分の端末だけがつながらない
自分の端末だけがつながらない場合は、原因解決が簡単なケースが多いです。
- 使用端末のインターネット接続設定にミスがある
- LANケーブルがきちんと挿入されていない・破損している
- 無線LAN子機が熱を持ちすぎている
- Wi-Fiが無効になった
- 端末自体が故障している
OSの設定によっては、インターネットに接続できないケースがあります。またLANケーブルを使っている場合は、きちんと奥まで挿しこみつめで固定しないと接続エラーになる可能性があります。安い無線LAN子機だと熱を持って接続不良になるケースがあるので注意してみてください。ミスでWi-Fiを無効にしている可能性もあります。
最悪の場合は端末自体が故障している可能性がありますが、故障に該当するケースは多くないので冷静に特定していきましょう。
一部の端末がつながらない
自分だけでなく複数の端末で接続できていない場合は、その端末同士で共有して使っている設備で原因が見つかる可能性があります。
- ケーブルをまとめているスイッチハブが故障している
- 中継地点のLANケーブルが外れている
- ケーブルが切れたりと破損している
- 端末同士を近づけ過ぎて電波がバッティングしている
自分だけでなく複数の社員がネットワーク接続できていない場合は、同じ状況なのか確認してみましょう。同じであれば使用している各種ケーブル周りといった共有している部分で問題が起きているケースがあるので、注意して点検してみてください。
また端末同士を近づけて無線接続していると、減衰して上手く電波が届かないケースがあります。端末同士の距離を取ってみると接続が改善されるかもしれません。
社内全体の端末がつながらない
社内全体の端末がつながらないということは、社内ネットワークを統括している設備に問題が発生している可能性があります。
- 社内の一番上層にあるハブが破損している
- ONUやルーターに異常がある
- 通信プロバイダー・工事業者などでトラブルがあった
ハブやONU、ルーターには寿命があります。異常を感じたら新しい機器を購入したり、契約先へONU・ルーターの交換を依頼することが重要です。
また、インターネットに接続できないという場合は、通信プロバイダーや回線工事業者などでトラブルが発生しているケースがあります。トラブル発生の際はSNSや各サービス公式サイトに障害や不具合情報が掲載されるので、気になる方はすぐ調べて対応を考えるのがポイントです。
自宅からVPN接続できないときのよくある原因
リモートワークで自宅からVPN接続している場合、次のようなケース・原因で接続が不可能になる可能性があります。
- 自宅の機器がインターネットへ接続できていない
- 認証情報にミスがないか
- ネットワークドライバーに不良がある
- IPアドレスが重複している
自宅の機器がインターネットへ接続できていない
インターネットに接続できない場合は、まずは下記のいずれかのパターンに絞り込みましょう。
- 一部の機器だけが接続できていない
- 自宅全機器が接続できない
の2パターンに分けられるでしょう。
一部の場合は機器自体の設定やハードウェアに影響が出ている可能性があります。また自宅の全機器が接続できていないのならば、自宅のインターネット回線自体が落ちている可能性も否定できません。
いずれにせよ冷静に切り分けていきましょう。
どのブロックで
認証情報にミスがないか
VPN接続の認証情報にも気を付けないといけません。
- プロバイダー名
- サーバー名やIPアドレス
- VPNタイプ
- 事前共有キー
- ユーザー名、パスワード
上記の情報を誤って入力してしまうと、認証エラーというメッセージが出ると思います。
まずは、接続する際に必要な情報を入力する際に、確認して情報が間違っていないか切り分けてみましょう。
ネットワークドライバーに不良がある
またOSはネットワーク接続時、ドライバーというプログラムを使って接続処理を行います。しかしプログラムの破損やバージョンエラーなどで上手く接続ができないケースもあるので注意しましょう。ドライバーにトラブルがあると、「デバイスマネージャー」という管理画面で!マークや×マークが表示されます。
IPアドレスが重複していないか
IPアドレス重複も考えられます。
IPアドレスは接続する機器をサーバーが認識する際に必要ですが、VPNで接続すると社内ルーターと自宅PCのIPアドレスが同じだった場合はエラーが出てしまいます。
初めてリモートワークをした際や、自宅を引っ越してIPアドレスが変わってしまった場合などはこの問題が発生する可能性があるでしょう。
セキュアなネットワークを実現するVPNについての詳細は「セキュアな環境構築に重要なVPNとは?テレワークのセキュリティ対策は万全?」の記事で紹介しています。
まずはネットワーク経路を理解しておく
まずネットワークトラブルの原因を特定する前に、一般的なネットワークの経路について理解しておきましょう。
ネットワークは基本的に、
- 指定のサーバーがデータを送る
- プロバイダーが用意した回線へデータが流れる
- 自宅や社内のONUとルーターを経由
- ハブがあればそこを経由
- 各端末がデータを受け取る
という流れ・仕組みで機能しています(端末からデータを送る場合は逆の手順)。実際にインターネットへつながる際には「ホッピング」という処理が発生したりもっと複雑なのですが、初心者は上記の流れを何となくでも覚えておくと安心です。
大体の仕組みを知っておくと、たとえば「自分の端末だけがつながらないから5の手順でトラブルが起きている可能性が高い」といった大まかな原因特定が楽になります。焦っている方は上記の流れをそもそも理解していない可能性があります。リモートワーク時にも冷静な対応ができるよう、に基本的なインターネットの構造を理解して解決へつなげてみましょう。
社内ネットワークに接続できないときにするべきこと
社内ネットワークで問題が起きている場合は、次の方法で解決ができる可能性があります。
いち早く状況を確認する
初心者でもできる対応は、まず情報収集です。原因を特定できていれば、
- キーワード検索して最新の事例を調べる
- プロバイダー公式サイトで障害情報を調べる
といった方法で選択していけば問題の解決へ自力で当たれます。
スマートフォンを持っている方は多いと思いますが、自分のPCネットワークが以上でもスマートフォン回線がつながっていれば情報収集が可能です。テザリングでPCへ電波を送り一時的にネットワークを確保することもできるので、PCでトラブルを検索したい場合は活用してみてください。
ソフトウェアやOSなどの設定を確認する
ソフトウェアやアプリケーション、OSなどの設定見直しも、自力でやろうと思えば可能ではあります。
たとえば何かしらの理由で、誤って機内モードをONにしてしまったとします。その場合はWindows10で
- 設定を開く
- 機内モードをクリック
- ONになっている場合はOFFにする
という手順で問題を解決可能です。
また指定のソフトウェアやツールをアップデートするとインターネット接続が復活するケースもあります。IPアドレス重複の場合は設定画面からIP設定を手動に切り替え、誰にも使われないアドレスを指定すると今後も重複を防ぎやすくなるでしょう。
ネットワーク構造を見直す
- ハブやケーブルが複雑に絡み合っている
- 無線で2.4GHzの使われがちな電波が飛び交っている
- ルーターが何台もあって管理が面倒
- 通信速度が極端に遅い、または切断を繰り返す
といった状況は、トラブル切り分けの障害になります。
もし会社が成長した結果ネットワーク構造が複雑になっているならば、構造自体を分かりやすいように変更・見直す必要があるでしょう。初心者だと細かい対応は難しいと思うので、担当者に連絡して指示を受けてみてください。
設備を新調する
もし設定確認や構造見直しなどで改善ができない場合は、問題が起きているPCやルーターなどが故障している可能性があります。IT機器は使うと必ず損耗しますし、規格が古いと余計なトラブルを引き起こす可能性もあるので危険です。
必要な設備は新調する必要があります。設備については自分の判断だけで購入するわけにはいかないので、責任者の判断を仰ぐ必要があります。またルーターについてはプロバイダーから貸し与えられている分を手順通りに返却すると、新しいルーターが届くので利用してみましょう。
VPNに接続できないときにまずはするべきこと
VPNに接続できない場合は、次の対応を取ってみましょう。
自宅のネットワーク環境を冷静に切り分ける
自宅の
- ルーター、ハブ
- PC、スマートフォン、タブレット
といったどの部分で問題が発生しているのかは異なります。
接続できない場合はまず使っている端末で接続がどのレベルでできないか考えましょう。
例えば、iPhoneなどのスマホでは接続できるが、PC一台だけ接続できないということならPCに問題がある可能性が高いわけです。
スマホでもPCなど複数の端末で接続エラーが起こる場合は共有している部分であるルーターなどの機器やケーブルの異常が考えられます。ルーターの初期設定でファイアウォールが有効になっていたりする可能性もあります。
このように原因の切り分けをできると、トラブル解消までが驚くほどスムーズに進むはずです。
認証作業を正確に行う
認証作業が1つでも失敗するとVPN接続はできません。セキュリティのためには厳密な認証も仕方のないことですが、使い勝手が落ちないように正確な認証作業を行うことが重要です。
たとえば「認証情報をファイルで保管、コピペで取り出せるようにしておく」といった方法ならば、複雑な認証も楽に終わらせられます。ただしファイルに暗号化を行うなど、セキュリティ対策を十分行ってから実行してみてください。
コマンドプロンプトといった設定画面を活用する
自力の問題解決には、端末内の設定プログラムの活用が重要です。
たとえば簡単なコードでPC情報確認ができる「コマンドプロンプト」は、IPアドレスの異常や確認などを行うのに向いています。文字情報だけなのでとっつきにくいという方は、Windows10などに搭載されているグラフィカルな管理画面でも設定を行うことが可能です。ただし問題解決の柔軟性を上げるためには、どちらも扱えたほうが安心できます。
コマンドプロンプトで入力するコマンドなどは、マニュアル化しておくトラブル発生時に各社員はPC内のマニュアルを参照すれば対処できるようになります。もし、社内サーバーにマニュアルを置いておくと、ネットワークのトラブルが発生してしまうと社内サーバに接続できず、マニュアルを参照できないということになりかねません。
VPNは安全なのか、詳しい内容はこちらの記事をご参考ください。「VPNの安全性について。テレワークで増えているセキュリティリスク!」
IT担当者に必要な心構えとは?事前準備が重要なわけ
トラブル発生前に準備しておくこと
IT担当者としては、
- 次善策を用意しておく
- 切り分け内容によってどこへ連絡すればよいのか把握しておく
- 内容をマニュアルにして書類化する
といった準備を行うとスムーズな対応がしやすくなります。
次善策としては、たとえば「社内ネットワークが停止しても、予備のネットワークをすぐ構築できるようにしておく」といった方法が考えられます。業務を止めないでじっくり原因特定したい場合はおすすめです。
また切り分け内容にとってプロバイダーやシステムベンダー、どこへ連絡すればよいのかは変わります。よって事前に切り分け内容に応じた連絡先を把握しておくと安心です。
必要な内容はマニュアル化して、担当者間で簡単に共有できるようにしておきましょう。上述でもお伝えしましたが、トラブル対応のマニュアルなどは、従業員のPCに保管しておくことを推奨しましょう。
特に社内で利用しているパソコンがWindowsとMacがある場合だったり、社用スマートフォンがiOSとAndoroidが混在していたりする場合は、それぞれ設定方法が異なりますので、マニュアルを整備する際にはデバイスの種類についても注意しておきましょう。
日々のトラブル対応がナレッジとして蓄積されているかが、効率的な対応の鍵となります。日々、トラブル対応を重ねるだけではなく、履歴をためておくことが大切です。
セキュリティ対策の見直しも必要なケースも
近年、働き方改革やコロナ禍の影響などによりリモートワークまたはハイブリッドワークを導入する企業が急増しました。また、フルリモートワークという出社しない働き方を受け入れる企業も増えています。
リモートワークに対応できるようパソコンをデスクトップからノートPCに変える必要があったり、社外からのネットワーク接続が急増したことにより回線の増強が必要となったり、共有ストレージをクラウド化したり、ドキュメント類を全てデジタル化して業務を進める準備をしたりと、情シスや社内IT担当者の業務は急増しています。
しかし、何より大切なのは、まずセキュリティ対策に抜け漏れがないのか、確認することが重要です。これまでにないほど急激に社内のネットワーク環境やIT環境は変化しています。セキュリティ面の考慮が不足していると重大なリスクを抱えてしまうことになります。
社内の環境を変えるタイミングでは必ずセキュリティ対策が万全かをチェックしましょう。
何をやっても接続できずにお手上げの場合は?
もし社内ネットワークやVPN接続トラブルでお手上げの場合は、無理にネットワーク設定を変更せずにIT担当者や管理者、指定の業者へ連絡を取ってみましょう。原因不特定のまま設定変更を自分でしてしまうと、はさらなる不調の原因になる可能性が高いのです。
「社内で問題解決するのが難しい」「情シスを設置できない」という場合は、無理に内部で解決しようとせずに、外部のプロフェッショナルへインターネットの保守・運用などをアウトソーシングしてみるのも非常に有効な方法です。
弊社のITボランチは保守・運用サービスの専門会としてサービスを提供しているので、気になる方はぜひご連絡をください。10年以上の運用経験、400社以上の保守実績があり、確かな技術力と豊富なノウハウで貴社のIT業務をサポートいたします。
VPNなどネットワートラブルは専門家のサポートの検討しよう
今回は誰もが経験したことがあるであろう、社内ネットワークやインターネットに接続できないというトラブルについて解説いたしました。
どのようなケースでも、ご利用のクライアントPCなどの端末から社内環境までの間に原因が隠れていることは間違いありません。
自分のパソコンからインターネット接続を経由して社内サーバまでに通る経路を理解しておくことでもトラブル発生時の原因の切り分けは、かなりスムーズにできるはずです。
ITに詳しくない方でもこの記事のように、落ち着いてトラブルの原因を探っていけばある程度の解決方法までは特定できるケースがほとんどです。
以前はネットワークの設定も多少複雑で通信プロトコルの設定など専門的な知識を必要としましたが、現在では通常のネットワークに接続することは非常に簡単になっています。
ネットワークのトラブルは業務に影響がでやすく、仕事が止まってしまうというようなことにもなりかねません。ネットワークのトラブルや障害時にも備えて準備しておくことが大切ですが、中小企業のIT担当者では全てに対処することが難しい場合も多いのではないでしょうか。
ただでさえ業務が急増しているIT担当者へこれ以上過度な負担をかけることは得策とはいえません。特にリモートワークの導入などで、ネットワーク環境など急激に保守対象範囲が拡大しています。すべての事象を内製で対応するには難しい状況かと思います。
一部の社内IT業務や、保守対応についてはアウトソーシングするのも1つ有効な手段です。
多くの企業の保守対応をしていることで、さまざまなパターンのノウハウを持っています。すべてのIT業務を丸投げしてしまうと社内にノウハウが蓄積されませんから、ネットワークの保守など一部の業務をアウトソーシングし、ノウハウが自社に蓄積されるような流れをつくることが大切です。
業務に影響が出かねないネットワークトラブルへ迅速に対処できるように外部リソースも活用し、リモートワーク時でも快適に業務を進められるような体制を準備しておきましょう。
専門家であればトラブルシューティングだけではなく、BCPを踏まえた提案などもしてくれるはずです。ネットワークに接続できないことが事業にクリティカルな問題となるのであれば、冗長化を図ってトラブルが起こってもネットワークは接続できるという状況も可能なのです。
いつでも相談できる専門家がいるということは安心感にもつながります。
トラブルシューティングに時間をかけるよりは、プロに任せてしまったほうが、最終的には効率的に対応できるのではないでしょうか。
オフィス周りのIT業務についてはIT保守、サポートの専門家ITボランチにお任せください。初回のご相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。