今では、どんな業種の仕事であっても、日常生活をしていても、知らず知らずのうちに多くのITシステムやIT技術が使われていると言っても過言ではありません。
どのようなITシステムであっても、その背後には「サーバ」というIT機器(技術)が必ず使われているのです。
では、一体「サーバ」とはどのような機器なのでしょうか。
ここでは、「サーバとは何か」に始まり、「サーバの種類や用途」や「サーバを扱うのに必要なスキル」に焦点を当てて説明をしていきたいと思います。
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そもそもサーバとは何か?
さて、そもそも「サーバ」とは何なのでしょうか?
「コンピュータ」や「パソコン」と似た用語に見えますが、一体どう違うのでしょうか。
サーバは英語で「Server」と書きます。食事や飲み物などを「給仕する」という意味の「Serve」に、「〜する人」という意味の「er」をつけたもので、合わせると「給仕する人」という意味になります。
その「(レストランなどで)食事や飲み物を給仕する人」という語源から、「サーバ」はIT用語で「何らかのサービスを提供する機械」という意味で使われています。
対して、「パソコン」は不特定多数の人にサービスを提供する用途としては使われません。むしろ「何らかのサービスを受ける側の機械」です。
サーバが「(レストランなどで)食事や飲み物を給仕する人」ならば、パソコンは「クライアント」つまり「(食事を食べたり飲んだりする)お客さん」です。
「パソコン」も「サーバ」も同じ「コンピュータ」の一種ではありますが、用途が異なるため、呼び名も異なるのです。
物理サーバと仮想サーバ
サーバは不特定多数の人にサービスを提供する、という用途で使われることから、パソコンよりも高性能である必要があります。
かつては、サーバと言えば「物理サーバ」と呼ばれる物理的な機器のことを指していました。サーバの台数が増えれば、その分設置場所が必要になるのは当たり前のことでした。
しかし、技術の進歩により「仮想サーバ」と呼ばれる形態が提供されるようになると、「サーバを構築する」という作業のハードルは一気に下がりました。
ここでは、物理サーバと仮想サーバの違いや特徴について確認していきましょう。
物理サーバ
物理サーバは、コンピュータシステムの中でも物理的なハードウェア(CPU/メモリ/ハードディスクなど)で構成される機器のことです。
専用のハードウェアで構築されているため、搭載されているOSやアプリケーションにサーバのリソースを100%割り当てることができます。
また、部品の追加や交換により、処理能力やメモリ容量、ネットワーク帯域幅などの性能を必要に応じて向上させることも可能です。
そのため、物理サーバは高いパフォーマンスが必要とされるシステムで利用されるのが一般的です。
ただし、物理サーバにはいくつかのデメリットもあります。
例えば、機器を設置するためには物理的なスペースや専用の電力、温度管理などが必要になってきます。
社内にそれだけの設備を整えるよりは、データセンターなどの専用施設へ預けるのが一般的ですが、そのためには費用がかかります。
サーバの台数が増えれば、それに応じて物理的なスペースも広げていかなければいけません。
また、物理的な機械であるがゆえに、部品故障の発生は避けられません。
故障によるシステム停止を避けるため、サーバを冗長化するのであれば、サーバの数はさらに増えていきます。
設置場所や部品故障のデメリットから、近年では物理サーバよりも仮想サーバの方が一般的になってきています。
仮想サーバ
仮想サーバは、物理的なサーバ(仮想化基盤)上に複数の仮想的なサーバを作り出す技術を利用しています。
仮に物理的なサーバが1台だったとしても、そこで動作する仮想サーバを10台や20台と構築することもできる技術です。
それにより、様々なメリットが存在します。
まず、物理的なハードウェアリソース(CPU、メモリ、ストレージなど)をより効率的に活用することができます。
少ない物理サーバの数で、多くの仮想サーバを構築することができるため、設置場所の問題が解決可能です。
また、物理的な部品も少なくて済みますので、部品故障の可能性も減ります。
それらのメリットから、一気に広まった仮想化技術ですが、仮想サーバの数が増えすぎると、やはり物理的な機器や部品の増設が必要になってきます。
クラウドサービス
物理サーバや仮想サーバでのデメリットから、近年爆発的に広まってきたのはクラウドサービスの利用です。
アマゾンが提供しているAWSや、googleが提供しているGCP、マイクロソフトのAzureなど、超巨大IT企業であるGAFAMがクラウドサービスを展開しています。
クラウドサービスの形態には、SaaS/PaaS/IaaSなどがありますが、仮想サーバを利用するためのサービスは「IaaS」です。
仮想サーバを構築するための物理的な機器の調達が一切不要なため、近年ではさらに利用者が増えつつあります。
またクラウドサービスの利点として、機器を購入することがないので初期コストを抑えることが可能だということ、必要に応じた規模や構成にスケールアップしやすいことなども利用が拡大した要因です。
サーバを用途別に解説
物理サーバ・仮想サーバ共に、OSに加えて何らかの機能をインストールして利用します。ここでは、よく使われるサーバの用途について説明していきます。
Webサーバ
静的コンテンツと呼ばれるHTMLなどのファイルを置くためのサーバです。クライアントからのリクエストを受け取り、要求されたウェブページやファイルを提供する役割を果たします。
通常、ブラウザを通してネットサービスを利用するときに目にしている画面を出力しているサーバです。
アプリケーションサーバ
クライアントからの要求に応じてアプリケーションを実行し、その結果を返すためのプラットフォームが動作するサーバです。Webサーバとは異なり、主に動的なコンテンツやビジネスロジックの実行に特化しています。目に見えないバックグランドのサーバということになります。
DBサーバ
データベース管理システム(DBMS)が実行され、データベースへのアクセスを提供するサーバです。主にアプリケーションサーバに搭載されたプログラムから呼び出され、データベースに対する操作(データの挿入、更新、削除、検索など)を実行します。
メールサーバ
電子メールの送受信を管理するためのサーバです。クライアントPCなどで送信者が電子メールを送信すると、それを受け取り、適切な受信者に配信する役割を果たします。
また、スパムフィルタリングやウイルス対策などのセキュリティ機能を提供することもあります。
ファイルサーバ
ネットワーク上でファイルを保存し、他のコンピュータやユーザとファイルを共有するために利用されるサーバです。一般的に、ファイルサーバは大容量のストレージデバイス(ハードディスクドライブやネットワークアタッチトストレージなど)を備え、ファイルやデータの中央集中管理を行います。
DNSサーバ
DNSサーバ(Domain Name System Server)は、インターネット上でドメイン名(例:example.com)をIPアドレス(例:192.0.2.1)に変換するためのサーバです。ユーザがウェブサイトやネットワークサービスにアクセスする際に使用されます。
サーバエンジニアに必要なスキル
サーバを構築・運用するエンジニアは、サーバエンジニアと呼ばれます。サーバエンジニアには、プログラマなどとは異なる知識が求められます。
ここでは、サーバエンジニアがサーバを扱う上で必要になるスキルについて確認してきましょう。
サーバーOSの知識
サーバエンジニアは、一般的なオペレーティングシステム(LinuxやWindowsなど)の知識と操作能力を持つ必要があります。特に、コマンドラインインタフェース(CLI)やスクリプトの作成に関する知識が重要です。
ネットワークの知識
サーバエンジニアは、サーバの知識に加えてネットワークの基礎知識も持つ必要があります。構築されたサーバは、ネットワークに接続してはじめてその機能を発揮するからです。IPアドレッシング、ルーティング、ファイアウォール、ロードバランシングなどの概念について理解していることが大切です。
セキュリティの知識
サーバを安全に運用するためには、セキュリティに関する知識も欠かせません。セキュリティのベストプラクティス、脆弱性管理、アクセス制御、暗号化など、サーバのセキュリティを確保するための手法について理解していることが重要です。
サーバ設計・運用・保守の知識
サーバエンジニアは、サーバを構築し運用・保守するまでの一連の流れを理解できている必要があります。そのためには、サーバの内部構造に加え、設計や構築、監視、トラブルシューティングの知識や経験が必要になります。
終わりに
様々なWebサービスやIT技術が世に溢れていますが、その裏では必ず何らかのサーバが動作しています。サーバはインターネット上でサービスを提供したり、業務システムを構築するためには必要不可欠な存在です。
そのサーバを取り扱うためには、サーバエンジニアなど専門知識を持った技術者が必要になります。
サーバ導入・運用を行うためには、多くのサーバエンジニアを有する企業に相談してみると良いでしょう。