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企業におけるシステム投資(IT投資)の考え方とは?

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戦略r的なIT投資とは

近年、IT活用は当たり前になってきており、ITに対し大きな投資をする企業も増えています。しかし、効果を最大化するためには企業戦略に基づき、戦略的に活用することが重要です。

また、IT投資を単純なコストとして考えるのではなく、何が改善されるのかを分析し、トータルでどこのコストが削減できているのかを測ることが重要です。

システム投資(IT投資)について、

  • 一般的に予算としてどれくらいを用意するのが妥当なのか
  • 投資目安額の計算方法はどのようなものがあるのか
  • 投資額の回収はどうやって実行するのか

などの面でお悩みの経営者の方やITご担当者様は多いと思います。

IT投資に意欲的な企業は増えており、適切な計算を行い投資割合や額などを考えることで企業成長にもよい影響を与えるでしょう。そこで当記事では、システム投資における考え方や上手な投資方法などを解説します。

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システム投資の考え方とは?

投資額を算出する際は、投資を行うプロジェクトや設備等に関する費用対効果をベースにするとシンプル・簡単に詳しい金額を算出できます。ただしシステム投資の場合、金額ベースでのみ算出し判断を行おうとすると、プロジェクトや投資の実行に対して支障が出るケースもあります。

たとえば

  • 社内コミュニケーションを向上させる
  • 営業支援によって売上を増加させる

などの目標は数値にするのが難しく、投資額を簡単に視覚化できません。

特に中小企業では大企業より予算が限定されているといった状況を背景として、ITの導入・利活用に関してコスト面のデメリットを感じやすい傾向にあります。ですからあまり投資を行いたくない経営層もいらっしゃるかと思いますが適切な判断基準を持つことで、積極的かつ効果的な投資が可能になり企業成長も達成できるのがポイントです。

システム投資を行う際はコストだけを考えるのではなく、企業戦略のためにどうITインフラが活用できるのか、といった多角的な考え方を行いましょう。

企業におけるシステム投資の現状

コロナ禍における緊急事態宣言の影響などを受けて、ハイブリッドワークやテレワークを行えるIT環境の整備が必要になりました。2021年には、さまざまな企業が活発にシステム投資を実践してニューノーマルな働き方を推進しています。

「中小企業白書(2021)」「中小企業白書(2022)」を確認してみると、新型コロナウイルス感染症の流行を受けてWeb会議やテレワークに取り組む企業が増加するなど、今まで率先して取組を行ってこなかったような中小企業間でもデジタル化への意識の変化が出てきているのが分かります。

今後は中小企業もシステム投資を行ってITツールを導入する取組を推進することで、IT環境を整備しながら企業内での競争力を高められるでしょう。

参考:中小企業庁「中小企業白書」

何にシステム投資するべきか

ここではITインフラとして何にシステム投資するべきか、解説を行っていきます。

低コストでも最低限のIT環境(ITインフラ)

まずIT環境が整備されていないところでは、最低限のITインフラを導入して使えるように準備しておくべきです。こういった取組はデジタル改革(DX)の前段階であるデジタイゼーションやデジタイゼーションなどを実践するために必要です。最低限ITを自社サービスへ応用することで、DXの段階へと進むための準備をすることが可能になってきます。

  • PC・スマートフォンなどの端末
  • インターネット環境
  • セキュリティ対策ツール
  • オフィス関連ソフトウェア
  • コミュニケーションツール

などを導入することで、業務効率性の向上が見込めます。

ITインフラの整備が未達成の企業では高度なIT活用の前に、まずは上記のような項目を選定しながら用意することが課題となってくるでしょう。

経産省の最新のDXレポート2.2でもIT投資の目的の中心は業務効率化だという結果が出ています。DXの成果が出ている企業は少なく、具体的なアクションがわからない企業が多いのが現状なのです。

参考:経済産業省「DXレポート2.2」

事業の成長に直接的に寄与する高度なシステム

最低限のITインフラの整備が済んだら、次は事業の成長に継続的に寄与するような、業務効率化を達成できる高度なシステムの導入へ踏み切るべきです。

事業の成長へ継続的に寄与するシステムとはたとえば、

・製品・サービスの高付加価値化
・新製品・サービスの創出

などにかかわってくるシステムです。

現在ではAIやIoTといった最新の技術を活用しながら、

  • 商品・サービスの需要予測
  • 製造工場における故障などの予知
  • BI機能を利用した効率のよいデータの収集・分析

などを実行できるデジタルマーケティングツールが増えています。

投資目的や業務プロセスといった項目に応じて自社に最適なソリューションを選択しながら、期待通りの効果を得られるように投資先のサービスを選ぶ必要があります。

IT環境を構築しながら人材の育成も

システム投資の効果を最大限に得るためには、ITリテラシーを備えている人材が必要です。いくら経営者がシステム選定等に時間を掛けても、有効に利活用ができる人材が現場にいないと効果は最大化しません。システムの難易度等によって必要な知識・スキルは変わってきますが、導入するシステムをある程度絞った上でどのレベルの人材が必要なのか把握ができると安心です。

一般の中小企業が高いITスキルを持った人材を獲得することが難しくなってきているので、時間が掛かっても自社でIT人材を育成するのは有効な手段です。ただし

  • どんなシステムが自社に必要なのかそもそも分からない
  • システムの導入や運用保守を担当する人材を確保できない

という悩みを抱えている方もいらっしゃるでしょう。そういった方は外部リソースを活用すると課題を解決可能です。

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システム投資による効果

Web会議をスムーズに利用するためには

続いては、システム投資の効果・メリットについて説明していきます。

効果1:業務効率の向上

システム投資を適切に実行できると、まず業務効率化が実現できます。

たとえば

  • タイムカード
  • 売上把握
  • 経費精算

などの管理を人的にアナログな方法で行っている会社は、入力やチェック、申請や手続きに無駄なコストが掛かっていると言ってよい状況です。またアナログな方法での各種バックオフィス業務管理はミスの原因になりますし、年末といったタイミングでは膨大な負荷が担当者へ掛かってしまうことにもつながります。

そこで管理関係のシステムへ投資を行うと、自動で計算や入力、振り込みなどを行ってくれるようになるので人件費の削減やペーパーレス化による紙代・印刷代コスト削減などが達成できるのがポイントです。また同時に業務負担削減といった効果により、社内環境も改善します。

効果2:売上・利益の向上

システム投資を行うことで売上・利益の最大化を図ることができます。

売上や顧客情報、在庫などの管理をITツールに任せることで、自社のリソースは情報の分析や戦略の立案などへ時間を掛けやすくなります。そしてデータベースで、より数字に基づいた施策を実行することができるのがポイントです。つまりバックオフィス業務に掛かってしまう無駄な時間を短縮しながら、利益へ直結するようなコア業務に集中できるのがメリットです。
ちなみに「中小企業庁」が発表しているシステム投資の有無と業務実績の関係でも、システム投資を積極的に行っている企業のほうが売上高や売上高経常利益率、ともに業績が高い傾向にあります。

効果3:情報管理・共有の利便性の向上

システム投資が成功すると、自社内の情報の管理や共有が簡単に行えるようになります。

デジタル化が進む前の時代と同じように紙ベースで情報保存をしている場合は、コピー、ファイリングや分類の工程に人件費や手間が掛かります。しかも紙ベースでは従業員同士で情報を共有することは難しいのもネックです。特定の従業員しか情報を所有していない属人化が起きると、情報が有効活用できなかったり、退職などに応じて情報が失われてしまうといったデメリットが出てきます。

情報をIT化することでクラウドといった環境で「誰でも・どこでも・いつでも」情報を共有することが可能になり、属人化によって発生するデメリットもなくすことができるでしょう。

効果4:従業員満足度の向上

システム投資を行いITツール導入することで売上・利益の向上が実現できれば、従業員への報酬として還元することもできます。また売上や利益の一部を福利厚生へ回すことで、従業員満足度向上をさらに達成しやすくなるでしょう。

さらに先ほども説明しましたが業務効率化により、従業員の労働時間や残業時間を減らして業務負担を削減可能となります。人手不足が慢性化している中小企業であれば、人材を獲得して雇用を継続する意味でも従業員満足度は重要です。

システム投資額の目安

次にシステム投資額の目安について、ポイントを解説していきます。

システム投資額の目安は売上高の1.15%程度

「一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)」がまとめた「企業IT動向調査報告書 2022」によると、日本企業の21年度の売上高IT予算比率のトリム平均値は、「1.15%」でした。トリム平均値では異常値を計算に入れてしまうのを防ぐため、誤差が大きいと判断したデータを除いてより正確な平均値を出そうという考えによって数値が算出されています。

JUASの調査対象企業は東証一部上場企業とそれに準じる企業であり、規模が大きいのが特徴です。よってこれより規模の小さい中小企業の売上高IT予算比率は、IT投資へ積極的な調査対象企業よりも下回っていると考えられるでしょう。企業の業界や戦略によってシステム投資比率には差が発生してしまいますが、事例として上記のようなデータを複数参考にして投資額の目安を検討してみるのもおすすめです。

投資するものによって異なる

システム投資額の目安は、各々の企業のIT戦略によって異なってきます。

インターネット回線やPC・スマートフォン、その他通信端末などのハードウェアのみに絞れば、投資額の目安は低くなると予想されます。ただし生産性向上を実現するためにITツールへ投資するのであれば、買い切りのソフトウェアの購入やサブスクリプションサービスへの契約などが必須となってきます。またシステムをオリジナルで構築してもらったり一部カスタマイズを加えたりすると、よりシステム投資額の目安は上がっていくのもポイントです。

投資額を把握するために、導入ツールの提供企業へ見積もりを取る、料金をあらかじめチェックするなどの対応も行ってみてください。

システム投資額の投資対効果

従来のシステム投資額では、業務効率化による経費削減効果を中心に捉えてきました。しかし近年ではインターネット受注など利益を直接増大させるための投資や、社内の情報共有の高度化などの投資までも含まれてきており目標が多様化しているのがポイントです。

利益に直接結びつくようなプロジェクトの実行や人員削減などの施策は金額換算がしやすいですが、目に見えない効果は単純に利益換算しにくい部分が大きくIT化の成果を数値で測定するのは難しいです。ただし成果を予測するために、目測で数値化を行えるようにすると効果的です。

たとえば「このIT化で歩留まり率が改善される、または原価率が○%改善されるため、年間○○万円は効果がある」といった考えが該当します。またたとえばNPSでは、顧客満足度を0〜10の段階で仮に数値化することで、満足度を数値で計測できるようになっています。システム投資を可視化する際はこういったフレームワークの活用も検討してみましょう。

まとめ

今回はシステム投資の考え方やメリット、投資額の目安などを解説してきました。

現在はシステム導入に関してどのくらい投資するのか、また目標に応じて投資をどのように割り振ればよいのかなどを判断するのが難しくなっています。またシステム導入しようにも知識やノウハウがなく、そもそもどんなシステムを入れればよいのか、経費や回収方法は妥当なのか分からないという方も存在しています。

また見積もりを取ってその金額に驚いてしまうというケースも多いと思いますが、目先のコストで判断してしまうのは早計だと言えるでしょう。IT活用することで、何を削減できるのかを戦略的に考えることで、その金額が妥当かどうかの判断をするといいでしょう。

そういった方はアウトソーシングサービスの活用がおすすめです。ITボランチではシステムの導入や運用保守などの業務を代行させていただいております。もし自社でリソースが確保できないという悩みがある場合は、ITボランチへご連絡ください。

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