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テレワーク中の「さぼり」が発生するのはなぜ?発生する理由や対応策など解説

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テレワークのさぼりとは

テレワークを導入・運用するにあたり、経営者が不安に感じることの1つとして、従業員が、“さぼらないかどうか”が挙げられます。

仕事をさぼっていると生産性が低下し、オフィス出社時よりも結果がでないのではないかということを危惧しているのです。

この記事では、テレワークで“さぼり”が発生しやすい理由やその対応策などをご紹介していきます。

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テレワークの実態

新型コロナウイルス感染症は、その症状や対応方法への理解が進んできましたが、感染者数については、今年10月から増加傾向が続いてきていて遂に第8波に入りました。

秋口には全国の感染者数は爆発的には増えず、微増・微減を繰り返して、ほぼ横ばいの状態になっていましたが冬に入り再度急激に増加してきています。終息したとは言えない状況であることは間違いありません。

新型コロナウイルスへの対応として導入が進んだ企業でのテレワークについては、すでに働き方の1つとして定着化しつつあると考えられます。

国土交通省発表の資料によると、新型コロナウイルス感染症がまん延した令和2年度の三大都市圏の通勤電車の混雑率は、前年度に比べると大幅に低下しました。特に東京の混雑率の下げ幅が大きいことがわかります。都内では60%の人員がリモートワークで働いることが大きな要因だと思われます。

【通勤電車の混雑率 令和2年度】

東京圏(163%→107%)
大阪圏(126%→103%)
名古屋圏(132%→104%)

東京都の調査でも、テレワーク導入率は昨年、65%をピークとして6割程度が続いており電車の混雑率の低下が裏付けられている数字となっていました。

しかし、2022年に入り50%台までテレワーク導入率が下がっています。新型コロナウィルスについての分析が進み、制限が緩和されたことにより、企業もテレワークから出社型またはハイブリッドワークに切り替えが進んでいるようです。

テレワーク実施率

参考:東京都「テレワーク実施率調査結果をお知らせします!8月の調査結果」

今年の後半に入って都内の通勤電車の混雑率を見ても、出勤している人が増えてきている様に感じます。昨年東京都からは、感染者が増えるたびに、様々な自粛要請が出されてきました。

“不要不急の外出を控える”、“人との接触をできる限り減らす”、“会食の人数制限”など、そういった要請も一切なくなったことから、テレワーク率が下がってきているのかもしれません。

テレワークが一般化されてから約2年経過した現在、その有効性は、企業によって差が出てきているようです。

アデコ株式会社が、テレワークについて意識調査を行った結果を見ると、テレワークの課題が見えてきました。
特に注目すべき点は、テレワークに対する不安を感じている、という点です。

管理者が不安に感じていること

  • 部下の業務推進(業務実施状況)50%
  • 部下とのコミュニケーション  49.3%
  • 他部署との連携 47.3%

一番の不安が、部下が業務をしっかり進めているのだろうか?という点にあることがわかりました。

参考:ITmedia「テレワークへの不安に管理職と一般職で温度差 アデコの意識調査」

そこで、テレワークを今後とも、継続していくために、この業務推進の不安、サボっているのではないか?という課題について考えてみたいと思います。

テレワークでさぼりは発生しやすい?

さぼりは起こりやすい?

テレワークでは、本当に“さぼり”は発生しやいのでしょうか。

オフィスワークと異なり、周りからの目が無い分、業務効率が下がる、即ちさぼりやすい環境にあると思われがちです。しかし、オフィスに勤務している場合でも、喫煙者は、タバコ部屋やオフィスの外に出て喫煙をしますし、飲み物を買いにコンビニエンスストアに出かけて、リフレッシュするようなこともあります。

そもそも、テレワークだから、“さぼり”は多いと言えるのでしょうか?

テレワークでさぼりをした人は多い

マイナビの調査によると、テレワーク中に“さぼった”経験がある人は7割以上でした。

“さぼり“の内容としては、業務時間中に動画サイトを見ていた、昼寝してしまった、といった明らかに業務に関係のないことや、喫煙、コーヒーブレイクなど、オフィスにいても同様ことをしているなど、休憩と考えられる内容も含まれているようです。

テレワーク中にさぼったことがあるか?

参考:マイナビニュース「テレワーク中にサボったらどんな処分がある? 対策について専門家が解説」

一方で、テレワーク中に、部下が“さぼっている”と感じてしまうのではないか?と不安になるか、というアンケート調査があります。

株式会社ヌーラボによる “20代の2人に1人が「テレワーク時、サボっていると思われるストレス」を実感 – 調査結果:テレワークとサボりの関係性” の調査レポートです。

これによると、年齢層が高くなるにつれて、その不安をもっている率が高くなり、50代以上(恐らく管理職)になると半分以上の人が、部下がさっぼっているのではないか?と感じている実態が明らかになりました。

サボっていると思われてしまう

参考:PR TIMES「ヌーラボ 20代の2人に1人が「テレワーク時、サボっていると思われるストレス」を実感 – 調査結果:テレワークとサボりの関係性」

このように、漠然とした“さぼっている”かもしれないという不安感がある中で、テレワークにおける“さぼり”状態はどういうことなのか、定義していくことが重要となります。

テレワークでのさぼりの内容

前述の通り、“さぼっている”という定義も、人それぞれに理解が異なっているようです。

時間的拘束の観点

業務時間中に関係ないことをしてしまう。業務と関係ないことをしているので「さぼっている」と見なされることです。

  • プライベートの用事を済ませる
  • 家事や子どもの世話をする
  • 副業する など

こういったことは、オフィスに出社した場合ではできないことですから、業務に充てられる時間を減らしているという観点で“さぼっている”ということになるでしょう。

休憩時間の観点

オフィスに出社した場合でも、喫煙に出たり、コーヒーブレイクをすることは一般的にありえますが、テレワークでも同様のことが考えられます。

自宅の場合、それが頻繁になったり、時間が長くなってしまうことが考えらえます。つまり、周囲からの目がないためダラダラ休憩してしまうということです。

業務効率の観点

オフィスに出社している場合も同様ですが、依頼した仕事が期限内に完成すること、決められた会議にきちんと参加し、そのフォローアップを決められた期限内に対応することを仕事と考えた場合、“さぼっている”のは、会議に参加しない、期限までに依頼したタスクがこなされていない、など業務効率が下がってしまうことになります。時間的な拘束は関係ありません。

先にご紹介した株式会社ヌーラボの調査結果の中に、仕事をしているかどうかの判断基準についてアンケート結果があります。

「労働時間で判断」「プロセスで判断」「成果で判断」の3つの選択肢から、仕事をしている、つまり“さぼっていない”判断基準についてのアンケートです。

この結果では、おおむね「成果」または「プロセス」で判断していることから、“さぼっている” 判断は、人によって違う判断基準を持っていることが分かります。

仕事している判断基準

参考:PR TIMES「ヌーラボ 20代の2人に1人が「テレワーク時、サボっていると思われるストレス」を実感 – 調査結果:テレワークとサボりの関係性」

一方で、休憩が長すぎたり、業務には関係のないことに時間を割くことで、結果的に、成果が出ない、決められた日時に決められたプロセスに沿った業務できないことになりますので、3つの“さぼり”の定義も関連していると考えられます。

テレワークでさぼりが起こりやすい理由

次に、オフィスで仕事をするのとは異なり、テレワークでさぼりが発生しやすいのはなぜか?を考えてみます。

プライベートと気持ちが切り替えられない

オフィスに出勤する場合、電車等での移動が伴いますので、これから仕事だ!という気持ちに誰でもなりますが、自宅が職場になってしまうことで、プライベートからなかなか気持ちが切り替えられないという人もいるでしょう。

自宅では、生活場所と仕事をする場所を分けられないことも多く、結果として集中できない環境で仕事をすることになります。加えて、オフィスとは異なり、監視の目がないため、ついさぼってしまうこともあるでしょう。

社内でコミュニケーションが取りづらい

オフィスに出社していれば、同僚や上司に不明点を聞いたり、仕事の進め方を相談・討議することも比較的簡単です。

コラボレーションができるため、自信のモチベーションも保てることでしょう。テレワークになってしまうことで、すぐに同僚・上司に相談することができず、仕事上の質問やハードルがあった場合、それ以上、仕事を進められないことになります。

それによって、モチベーションが下がり、結果的に、ダラダラしてまうということがあり得ます。

適切に評価されていないと感じているから

テレワークで一人になってしまうことで、上司の目が届かなくなります。部下は自分の仕事ぶりが評価されているか心配になることでしょう。しかし、オフィスとは違い作業過程については見ることができませんので結果で評価されがちです。その場合、評価されていないと感じてしまった場合は、さぼりにつながる可能性があります。

そもそもテレワークに反対しているから

テレワークよりもオフィスへの出社の方が、仕事がしやすいと感じている方は、そもそもテレワークに反対しているかもしれません。そのような方は、やはり、業務効率が下がり、結果として“さぼっている” と見なされてしまうことになりかねません。

テレワークを導入するのであれば、社員からの理解を得ることが大切になります。

管理者と従業員の不安とは

経営者の懸念とは

これまでの内容で、テレワークでは、“さぼり”が発生しやすい、そのような心配をもちやすい環境であることが理解できました。では、次に経営者・管理者、そして従業員が、それぞれに抱えている不安は、どのようなものかを理解することで、テレワークの有効的な運用方法が見えてきます。

経営者は従業員がさぼるのが不安

先にご紹介したとおり、テレワークにより、他人が“さぼっている”と感じる管理職が多いというアンケートがありました。

これは、単純に目の前で仕事をしている様子がわからないことによる不安というだけではなく、比較的年齢層の高い管理職の過去の経験とは、かけ離れた仕事のやり方であるから故の不安もあることでしょう。自分は、毎日朝から遅くまで、オフィスに居て、仕事にまい進した、など過去の体験が当たり前になっているため、目の前に居ない部下が本当に業務ができているのかわらないからです。

従業員はさぼりを疑われるのが不安

一方で、従業員の方は、テレワークによって“さぼっている“と上長から見られているのでは?と不安に感じている別のアンケート調査があります。テレワーク時に、同僚や上司から “さぼっている”と思われているのではないか、とストレスを感じるか?というものです。

その結果、年代が低いほど “さぼっている”と思われているのではないか、とストレスを感じる傾向にあることが分かりました。

逆に、年齢が高くなると、リモートワークであっても、“さぼっている”とは思われることに対する不安は抱えていません。これは、やはり、過去の自身の成功体験に基づく、仕事への取組みかたの違いに基づいているのかもしれません。

参考:PR TIMES「ヌーラボ 20代の2人に1人が「テレワーク時、サボっていると思われるストレス」を実感 – 調査結果:テレワークとサボりの関係性」

テレワークによって、管理者も従業員も “さぼっている”ことへの不安感を抱えていることがわかりました。双方が、仕事を“さぼっているのではないか?” 仕事はきちんとしているのに“さぼっていると思われているのではないか?” という齟齬が発生しまっています。

テレワークは新しい働き方のプロセスですから、経営者・管理者は、“さぼっている”のではなく、従業員がきちんと、業務をしている、従業員は自分は“さぼっているとは思われておらず” 自身の業務成果を上司が分かってくれている、と理解しあえる共通の仕組みを用意していくことが、大切と思われます。

テレワーク中のさぼりを防止する方法

共通な仕組みは、それを実現するためのプロセスとツールを用意することと考えます。

会社全体で「仕事をする」を明確にする

前述の通り、“さぼっている” とはどういうことを意味するのか、人によって理解が異なることを確認しました。

働いている時間=仕事と定義している人にとっては、長い休憩時間は“さぼっている”ことになります。しかし、一方で、成果物やプロセスが仕事である、と定義している人にとっては、それは、“さぼっている”ことではありません。
「やるべきことをやっていれば、途中で、ダラダラしていても問題ない」ということになるからです。

例えば、1日の中で1回確認ポイントを設けて、その時間までにこの資料を作っておいてください、と管理者と従業員の間で合意していた場合、それまでの時間をどのように使うのかは、本人の自由で、休憩が長すぎたりすることは、“さぼっている”に当たりません。

逆に、その時間までに予定した資料が出来上がっていない場合、“さぼっていた”のでは?と疑われることになります。

このように、「いつまでに、〇〇を満たしていれば、その途中経過の時間をどのように使おうと“さぼっている”ものではない」と具体的なシーンを例示することも有効です。

仕事を可視化できる業務ツールを導入する

仕事をする定義が、共通認識として管理者と従業員の間で確認できたら、次は、それを可視化することができるツールを導入して日々の運用に定着させていくことで、客観性が高まり、“仕事の成果”または、“さぼっている”を示すことができます。

サボりを可視化できるツールやアプリとは

コミュニケーションツールを導入する

Web会議ツール

Zoom会議という言葉が定着するほどに、Web会議ツールは広まりました。Zoomを含め、Web会議ツールを導入することで、同僚や管理者と複数人でのコミュニケーションが可能となります。Web会議ではお互いの顔をみて会話ができますので、オフィスで相談をするようにコミュニケーションが可能です。

チャットツール

Web会議ツールは、予定した時間でのコミュニケーションになりますが、チャットツールを導入することで、業務推進上不明点があったとき、相談したいことが発生した時に、すぐにメッセージを送って相談ができます。Eメールの場合は即時性に欠けますが、チャットツールであれば、相談相手に即時コミュニケーションがとれるようになります。

クラウドサービス導入で情報共有を効率化

共同で提案書を作成したり、プロジェクトを推進するような業務も多く発生します。オフィスであれば、会議室で話し合いをしながら成果物を作成しくような働き方となりますが、テレワーク環境では、コワーキングを可能とするクラウドサービスを活用することで、遠隔地にいてもコワーキングが可能となります。一人がドラフト資料を作成し、その資料に対して、複数人でアップデートしていくことが可能になります。

成果物のバージョン管理を含め、情報共有がしっかりできると、仕事の効率化が高まります。

勤怠管理のルールを見直す

また、勤怠管理のルールを見直すとともに、その決めたルールに基づいて、出退勤や作業状況がわかるツールを導入するとより効果的です。

オフィスに近い環境を整備する

Web会議の際には、“カメラオン“で、お互いの顔がわかるように、会議を進めることは、オフィスに近い環境になります。会議中に、お互いの話をきちんと理解しているのか、討議に参加できているのか、緊張感が高い環境をつくることになります。

会議中以外にも業務時間中のPC操作内容のログを取得したり、Webカメラを常時ONにしておく様な“監視ツール”も存在はしていますが、時間が業務であるという仕事の定義が明確に合意されない限りは、プライバシーの侵害のリスクもあり、過剰と見なされることになるかもしれません。

オフィスに毎日行く必要はありませんが、代わりに、コワーキングスペースやサテライトオフィスの活用して、そこまでの成果物を確認したり、課題の討議をすることも、オフィスに近い環境をつくる対策となります。

この様に、リモートワーク環境を構築するためには、一定の専門性も必要となります。例えば、以下のITボランチサービスは、クラウドサービス導入の支援やWeb会議ツールの整備など、テレワーク導入するために必要な施策の支援を行っています。

どのような可視化の仕組みが自社には適当で、どの様な順番で進めるべきか判断に迷うこともあると思います。そのような場合、ITボランチサービスが、自社の状況を踏まえ、寄り添って支援をしてくれます。

まとめ

今回は、テレワーク中の“さぼり”について、ご紹介しました。テレワークは確実に浸透し、一般化してきました。半数以上の人がテレワークを継続していくことを希望しています。

一方で、テレワークにより、管理者も従業員も“さぼっている” “さぼっていると思われているのでは?”という不安感を抱えるようになりました。そのような課題に対しては、仕事の定義を相互に明確にした上で、それを可視化するITの仕組みを積極的に活用していきましょう。

ですが、自社にはそうしたクラウドシステムに精通したスタッフがいないこともあるでしょう。
そうした場合には、先にご紹介したITボランチサービスなどの専門家の支援を得ることが、最適化への近道になります。

従業員に任せて、自己管理を過度に求めてしまうと、会社に対して不信感をつのらせてしまったり、オフィスに出社するより負担が増えてしまったりすることがあります。テレワークを導入するのであれば、従業員が働きやすい環境や制度を会社側が整えることが生産性を落とさずに業務を進める方法です。

テレワークにおける仕事の定義を明確にしたうえで、Web会議、チャットツールなど効率的なコミュニケーションの仕組みを活用し、業務効率化を推進しましょう。

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