近年、「NTTのアナログ回線が廃止される」という話題を耳にし、不安を感じている中小企業の方も多いのではないでしょうか。
「固定電話が使えなくなるのでは?」「何か対応が必要なのか分からない」といった声も少なくありません。
結論から言うと、固定電話そのものが突然使えなくなるわけではありません。ただし、電話回線の仕組みは大きく変わるため、企業にとっては電話環境を見直す良いタイミングでもあります。
本記事では、NTTアナログ回線廃止の概要と理由、そして中小企業でも導入しやすい固定電話の代替サービスについて、ITに詳しくない方にも分かりやすく解説します。
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Contents
アナログ回線の廃止とは?
固定電話は2024年以降、従来の固定電話(アナログ回線)が終了し、IP網へ切り替わります。
NTTが進めている「アナログ回線廃止」とは、従来の固定電話サービスが完全になくなるという意味ではありません。
正確には、これまで長年使われてきたアナログ回線やINSネット(ISDN)といった電話回線の仕組みが終了し、IP網と呼ばれるインターネット技術を使った回線へ切り替わるというものです。
そのため、現在利用している固定電話番号がすぐに使えなくなるわけではなく、多くの場合は自動的に新しい仕組みへ移行されます。
ただし、回線の中身は大きく変わるため、利用している電話機器やFAX、ビジネスフォンによっては影響を受ける可能性があります。
アナログ回線廃止の理由
アナログ回線が廃止される背景には、大きく2つの理由があります。
1つ目は、固定電話(アナログ回線)の加入者が年々減少していることです。
スマートフォンの普及や、インターネット通話サービスの拡大により、固定電話を新たに契約する人や企業は少なくなっています。
2つ目は、アナログ回線で使用している交換設備の老朽化です。
これらの設備は数十年前に作られたものが多く、維持や修理が難しくなっています。将来にわたって安定した電話サービスを提供するためにも、より新しいIP技術へ移行する必要があるのです。
固定電話の代替えとなるサービスは?
アナログ回線やISDNが終了する中で、固定電話の代替として注目されているのが「IP電話」と「クラウドPBX」です。
どちらもインターネット回線を利用するサービスで、従来の固定電話に比べてコストを抑えやすく、会社の規模や働き方に合わせて柔軟に導入できます。
IP電話は、インターネット回線を使って音声通話を行うシンプルな仕組みです。一方、PBXとは内線や外線をつなぐ交換機のことで、よりビジネス向けの電話環境を構築できます。
中でも「クラウドPBX」は、交換機を社内に設置せず、インターネット上に置く仕組みのため、アナログ回線からの移行先として特におすすめされています。
通話コストを抑えるなら「IP電話」
IP電話は、インターネット回線を利用して音声通話を行うサービスです。
従来の固定電話とは異なり、電話線ではなくインターネット回線を使うため、導入や運用にかかるコストを抑えやすいのが特徴です。
IP電話のメリット
IP電話の最大の魅力は、電話にかかるコストを大幅に削減できる点です。
従来の固定電話では、基本料金に加えて距離や時間に応じた通話料金が発生していましたが、IP電話ではこれらの費用の削減が可能です。
特に、拠点間通話や長時間の通話が多い企業では、月々の通信費削減効果を実感しやすいでしょう。
インターネット回線を利用するため、電話加入権の購入が不要で、初期費用がほとんどかからない点も大きなメリットです。
また、IP電話は専用の電話機に限らず、PCやスマートフォンを通話端末として利用できるため、在宅勤務や外出が多い業務にも対応しやすくなります。
社員それぞれのスマートフォンを業務用として活用できれば、端末の追加購入を抑えることも可能です。
IP電話のデメリット
一方で、IP電話にはいくつか注意点があります。
まず、サービスによっては現在使用している固定電話番号を引き継げない場合があり、取引先への番号変更の案内が必要になることがあります。
また、IP電話の多くは、110や119といった緊急番号、フリーダイヤルへの発信に制限がある、もしくは利用できないケースがあります。
業務上、これらの番号への発信が必要な企業では、補助的に別の電話手段を用意する必要が出てくるでしょう。
さらに、IP電話はインターネット回線の品質に通話品質が左右されます。
回線が混雑したり、通信速度が不安定だったりすると、音声が途切れる、遅延が発生するといった問題が起こる可能性があります。
安定した利用のためには、通信環境の確認が欠かせません。
ビジネス利用なら「クラウドPBX」
クラウドPBXは、従来オフィス内に設置していたPBX(電話交換機)をクラウド上で提供するサービスです。
インターネット環境さえあれば利用でき、固定電話の代表番号をスマートフォンやPCで使える点が特徴です。
クラウドPBXのメリット
クラウドPBXは、ビジネス用途に特化した電話環境を構築できる点が大きなメリットです。
内線、外線、転送、保留、自動音声応答など、従来のビジネスフォンで利用していた機能を、同じように使うことができます。
固定電話の代表番号を、スマートフォンやPCで利用できるため、オフィスにいなくても会社宛ての電話に対応できます。
複数拠点を持つ企業や、在宅勤務を取り入れている企業にとっては、場所にとらわれない電話対応が可能になります。
また、PBX機器を社内に設置する必要がないため、機器購入や工事費用が不要、もしくは最小限で済みます。
保守やセキュリティ管理はサービス提供会社が行うため、ITに詳しい担当者がいなくても安心して運用できる点も、中小企業にとって魅力的です。
クラウドPBXのデメリット
クラウドPBXもIP電話と同様に、インターネット環境に依存するサービスです。
回線が不安定な場合、通話品質に影響が出る可能性があり、業務に支障をきたすことも考えられます。
また、サービス内容によっては、現在の固定電話番号を引き継げない場合があります。
番号ポータビリティに対応しているかどうかは、導入前に必ず確認が必要です。
さらに、緊急番号やナビダイヤルへの発信が制限されているケースもあります。
すべての電話業務をクラウドPBXに集約するのではなく、用途に応じて他の通信手段と併用する判断も重要になります。
クラウドPBXについて詳しくは「クラウドPBXとは?中小企業にもおすすめな電話環境」をご覧ください。
まとめ:アナログ回線の廃止で大きな影響はないが電話環境を見直す機会に
NTTアナログ回線の廃止は、固定電話が突然使えなくなるというものではありません。
ただし、回線の仕組みが大きく変わることで、これまで当たり前に使ってきた電話環境を見直す必要は出てきます。
IP電話やクラウドPBXといった代替サービスを活用すれば、コスト削減や業務効率化につなげることも可能です。
アナログ回線廃止をきっかけに、自社に合った電話環境を検討し、将来を見据えた選択をすることが大切だと言えるでしょう。














