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資産管理とは?企業における資産と管理方法3選を解説

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資産管理の重要性とは

企業における「資産」とは現金や商品、不動産など形があるものに限らず、情報や権利など、形がないものも含まれます。これらの資産を正確に漏れなく管理することを「資産管理」といいます。

特に最近では「IT資産」という概念も出てきており、IT化が当たり前になっている今、他の資産とともに管理方法を覚えておくべき項目となってきました。そこで当記事ではIT資産を含めた資産管理の重要性や実施方法を解説します。

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企業における資産とは

企業における資産とは「企業運営の中で、自社が保有している財産となるものすべて」を指します。すべてと説明しているのは、現金や製品・不動産など有形物に限らず、権利や情報といった無形物まで含めて資産と捉えるからです。

また資産の対象は、現時点ですでに価値があるものだけとは限りません。資産の概念には「用益潜在力」という考え方があり、現時点で財産価値がなくても将来的に価値が発生する項目も資産と扱うのがポイントです。

たとえば

  • 今利益が出ていない独自の権利
  • 売掛債権

といったものが、将来的に資産となる項目の一例です。

資産は現金化できるタイミングといった性質の違いによって、流動資産と固定資産の2つに大きく分けられます。また最近ではIT資産という概念も出てきているので、それぞれ分けて開設していきます。

流動資産

流動資産とは流動性がある資産です。流動性があるかを判断する際は「正常営業循環基準」という考えが使われます。これは確定申告時に利用するバランスシートにおいて、資産を流動か固定化に分類するための基準です。

正常営業循環基準において流動資産の対象となるのは、通常の営業活動において生じた資産です。事例としては受取手形、棚卸資産などは流動資産と扱われます。

ただし正常営業循環基準から見て通常の営業活動で生じていない資産についても、1年以内に現金化できるものは流動資産とする考え方もあります。まず正常営業循環基準でYes、Noを判断してYesであれば流動資産、Noであっても1年以内に現金化できるか、という問いに関してYesが出れば流動資産となります。

厳密にいうと例外的に一年以上現金化まで期間がある項目も流動資産と扱うケースがありますが、基本は上記のフローを意識・把握すれば十分です。

ちなみに受取手形や棚卸資産以外にも、

  • 商品
  • 部品
  • 原材料

なども流動資産の一部となっています。

固定資産

上記で正常営業循環基準から外れており、また1年以内に現金化できないものは基本的に固定資産となります。固定資産とは「長期間、企業が保有することになる資産の総称」です。

企業においては長期的に使用するものも多いため、流動資産だけでなく固定資産もどれだけあるかよく把握しておく必要があります。ただし固定資産の考え方は少々ややこしいため、注意しておいてください。

まず固定資産については、「有形固定資産」と「無形固定資産」に分かれます。

有形固定資産とは目に見える物理的に存在している資産のことであり、PCや土地・オフィスといったものが該当します。物理的に存在しており直接触れるものは基本的に有形固定資産だと思ってください。

それに対して実際には存在していないが価値のあるものは無形固定資産です。例を挙げると特許権、クラウドツールなどはすべて無形固定資産になっています。最近ではITインフラの広まりによって無形固定資産の数が増えているため、意識していないと管理がしきれないかもしれません。

さらに価値の下がり方によって、固定資産は「減価償却資産」と「非減価償却資産」に分けて管理されるのもポイントです。

減価償却資産とは減価償却が必要な資産です。減価償却というのは毎年法律で定められた年数に応じて、少しずつ資産の価値を計上していく考えです。

たとえば4年で数万円ずつ計上を行い償却を行っていくやり方があります。減価償却が必要なのは、固定資産の中には消耗などで価値の下がっていく項目が存在しているからです。また固定資産の取得が総じて高額というのも要因になっています。

ただし価値の下がらないものに関しては、減価償却の計上を行う必要がありません。このような資産は非減価償却資産と呼ばれ、土地や権利などは価値が不変のため減価償却せずに計上が可能となっています。

ちなみに減価償却にも対象であれば一括計上ができる特例などが存在していますが、今回は経理ではなく資産に関する説明のため詳細は省きます。

先ほど説明したもの以外にも、

  • 機械装置
  • 車両運搬具
  • 工具、器具、備品
  • 意匠権

なども固定資産と扱われるので覚えておいてください。

IT資産

IT資産はDX化などが進む今注目されている項目です。ITにかかわる資産の総称ですが、経理的にははっきり区分が法律で定められているわけではありません。ざっくりITに関するものはIT資産だと覚えておきましょう。

IT資産には有形・無形が混ざっています。

  • サーバー
  • PC(パソコン)
  • スマートフォン
  • ソフトウェア
  • ライセンス権

などはすべてIT資産です。

IT資産が法律的な区分でないのにもかかわらず重要な理由の1つに、ライセンス権の確認があります。たとえば「1ライセンスごとに1台まで利用可能」といった規約があるにもかかわらず、不正コピーなどで1ライセンスで2台使っているような場合、ライセンス違反となります。

有形のものでもパソコン(PC)やサーバ、NASやファイルサーバのようなストレージを伴うような機器であれば、廃棄時にはデータの消去、廃棄手順など、運用手順を明確にしておかないと、情報漏洩のリスクやコンプライアンスの問題、従業員が勝手に2次利用したりすることが起こり得ることになります。

現在ではサブスクリプションモデルも増えてきていますので注意が必要です。こういったコンプライアンス問題は企業信頼性などにかかわるため、防止のために事前管理の徹底が重要です。

さらにセキュリティ対策やITの活用などにおいても、IT資産管理が重要となってきます。

IT資産管理の必要性や管理ツールが必要なのかについての詳細は「IT資産管理の必要性とは?運用が煩雑になりがちだが管理ツールは必須なのか?」の記事で紹介しています。

サブスクリプション

近年、ソフトウェアを購入することなく、毎月の利用料を支払うサブスクリプションモデルが増えています。日本では「サブスク」と略す場合が多いようですが、サブスクの場合は資産となるのでしょうか。

会計上はソフトウェアを購入した場合と、サブスクリプションモデルを利用した場合では会計処理が異なりますので、経理担当者を悩ませることもあります。

サブスクリプションサービスの経理処理は、月払いの場合では「支払手数料」などの費用科目で経理処理することができます。ソフトウェアを購入した処理に比べ、資産として管理することや減価償却の処理が不要になります。

しかし、IT資産管理の観点ではサブスクリプションを管理するのかは重要なポイントになります。

資産管理の重要性

ITを始めとする資産管理を怠ってしまうと、次のような問題が発生しても気付けない危険があります。

  • 従業員による備品の持ち出し
  • 貸与していた端末の紛失や破損
  • 許可なくソフトウェア利用することによるライセンス違反

備品の持ち出しは社内ルールで許容されていなければ当然規約違反ですし、機密情報が混ざっているものだとさらなる問題が起こるリスクもあります。また貸与していた端末の紛失・破損についても、テレワークが頻繁に導入されている今起こりがちな問題なので無視はできません。

ライセンス違反の問題はIT資産の章で説明した通りです。こういったリスクを減らして適切に資産状況を可視化・把握するために資産管理が重要になってきます。

また資産に関しては、通常確定申告が行われて税金が徴収されます。ずさんな資産管理を行っていると資産の計上が間違っていて是正勧告が入る、といった問題が発生するかもしれません。適切な管理で正しい資産の数や価値などを知っておくことで、税の追徴といったリスクをなくせるでしょう。また確定申告時に資産の分け方や計算方法などを事前に知っておくことで、節税の方法に基づいて無駄な納税をなくすことができるのもメリットです。

さらに資産管理を適切に行いバランスシート等を付けられるようになると、今自社がどのくらい儲かっているのか、どの部分の資産面で問題が発生しているのかが分かりやすくなります。資産項目やその配分、将来的な価値の予想までが資産管理の活用によってできるようになることで、経営判断が適切になり高速になるのもメリットと言えるでしょう。

簡単な資産管理だけで済んでいるようなところでも、将来的に成長して規模が拡大すれば対応できなくなる可能性があります。今のうちに正しい資産管理の方法を学んでおきましょう。

資産管理の方法3選

資産管理の方法とは

資産管理を行う方法としては、次のようなものがあります。

Excelで台帳を作る

ローカルのパソコン(PC)等でExcelを使って台帳を作り、資産管理を行う方法があります。この方法だと最初からExcel(エクセル)が入っているパソコン(PC)を使えば無料で実行できます。またExcel(エクセル)の代替ソフトウェアを使うことでも実現可能です。

ただしローカル環境に台帳を作成して管理してしまうと、属人化や効率性などの面で問題が生じます。特定の人員のみが台帳を管理して把握している状況にならないように、ローカルの台帳管理はあまりおすすめしません。

Excelを使うにしてもクラウド版で共有しやすくすると効率性も含めてメリットがあるでしょう。またGoogleドライブのスプレッドシートで台帳を作成するのも有効です。

中小企業の多くはExcelでIT資産管理を行なっている場合が多いかと思いますが、活用方法で利便性が大きく違ってきますので注意が必要です。

資産管理用のツールを使う

Excel(エクセル)といったツールは計算自動化などには効果がありますが、資産管理面で言うと特化したツールではありませんので運用手順などは綿密に決めておく必要があります。そこで資産管理用に最初から開発されているIT資産管理ツールを使うのも有効な手になってきます。

資産管理用ツールは有料のパターンが多いですが、

  • プロセス管理
  • 会計処理
  • 法律改正への対応

といった資産管理に関するあらゆる機能が搭載されており、管理効率性が一気に向上するのがポイントです。

またクライアントパソコン(PC)にアプリをインストールすることで、パソコン(PC)にインストールされているソフトウェアやバージョンの情報などを吸い上げてくれるものも多いので、1台1台調査することなく、元管理することができ自動で情報収集も可能です。

更には資産管理に関する機能だけではなく、パソコン(PC)の操作ログを収集できたり、外部デバイスの使用を禁止したり、許可されていないWebサイトにはアクセス制限をかけたりと、セキュリティ面を強化できる機能も用意されているツールが多いのが特徴です。特にリモートワークが多い企業では操作ログを収集できるというのも、業務が遂行されているか、セキュリティ面以上が検知されないか監視することもできたりとリモートワークの安全性を確保するための機能が備わっているのでおすすめです。

Excel(エクセル)などで限界が来たときに、専用のツールが役立つことを覚えておいてください。

会計ツールを使う

資産管理専用ツールと書かれていなくても、会計ツール自体に資産管理に関する機能が組み込まれているケースもあります。ただしパッケージ版だと更新や共有などが難しいため、クラウド版の会計ツールの使用をおすすめします。

会計ツールを使うと資産管理とともに自動仕分けやエラーチェックなどの機能も使えて便利です。また会計ツールの中には資産管理ツールと連携できる製品もあり、資産管理ツールといっしょに使うとさらに利便性が上がるのがメリットとなっています。

いずれの方法を取るにせよ、片手間で行うのではなく担当者を用意して業務を回していけるようにしておきましょう。資産管理には情報共有性や正確性、スピード性などが求められます。

資産管理の代行ならITボランチ

今回はIT資産を始めとする、資産の種類や資産管理の方法などをご紹介してきました。

資産の状況整理を行うためにも、企業の資産管理は重要です。特にIT資産は現在増加傾向にあり、ソフトウェアといった無形資産も含めてきちんと管理することが必要になってきています。

IT資産管理は、常に情報を更新することが必要となっており、更新が滞ってしまうと、IT資産管理のメリットを得られなくなってしまうだけではなく、正確性が失われてしまうことによって様々なリスクが顕在してしまいます。

そのため、IT資産管理を正しく更新していくためには、運用ルールの制定や、社内の研修体制なども整備しておくことが重要です。

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