近年の働き方改革やコロナ禍により、DX化を推進する企業が増えてきました。
これにより、日々の煩雑な業務がシステムによって自動化・効率化され、より少ない従業員で業務ができるような環境を実現できるようになってきました。
一方で、社内システムの増加に伴い管理するサーバーが増え、情シスの管理部門などでは業務が増えています。
この解決策として、サーバー保守を外部に委託する(アウトソーシング)という方法があります。
では、サーバーの構築や運用・保守を外注したい場合、費用の相場はどのくらいなのでしょうか。
この記事ではサーバー関連費用の内訳や料金を抑えるポイントについて紹介します。
□■□■IT業務のお悩みやお困りごと、コスト削減をお考えなら、解決手段があるはず!まずはITボランチへご相談(無料)ください。お問い合わせはこちらから□■□■
Contents
サーバの構築・保守費用の相場と構成要素
はじめに、サーバー本体以外に外注する場合のサーバー構築や保守に掛かる費用相場について見ていきましょう。
サーバー構築費用
サーバー構築とは、ハードウェアスペックの選定やシステムやホームページの目的に合わせてOS(WindowsやLinux等)やミドルウェア(Apacheやnginx等)をインストールする作業を指します。
サーバー構築費用は、一般的に10万円~が相場です。
注意点として、Windows ServerやRed Hat Enterprise Linux(RHEL)等、別途ライセンス費用が発生するOS・ミドルウェアもさまざまあります。
構築するシステム要件に合わせて適切なOS・ミドルウェアを選定しましょう。
近年ではアマゾンのAWSや、GoogleのGCP、MSのAZUREなどのクラウドサービス(仮想サーバー)を利用してサーバ環境をクラウド場に構築するケースが多くなってきていますが、ここで言うところのサーバ構築はオンプレミス(物理サーバー)でのサーバ構築を対象としています。
ソフトウェア費用
サーバー構築後、実際のアプリケーションやシステムを動作させるためのソフトウェアをインストール・設定する必要があります。
例えば、メールサーバーであればpostfix、ファイルサーバーであればsambaなどがソフトウェアとして挙げられます。
料金はファイルサーバーやメールサーバーなど、基本的なものであれば安価で構築を依頼することができますが、Webサーバーやセキュリティ対策用のファイアウォールサーバーは設定箇所や特定のスキルが必要であるため高額になる傾向にあります。
また、インストール後もバージョンアップデートが必要な場合は都度費用が必要となるケースがあります。
一般的なソフトウェア関連の設定費用は5万円~です。
人件費
サーバー構築には人件費も発生します。
具体的には、オンプレミス環境の場合における現地サーバールームでの機器の設置・ラッキング作業、他サーバーとの接続を行うためのケーブル配線などです。
人件費に掛かる金額の相場は1万円程度となりますが、現地までの出張費や作業人数によって変動する場合があります。
ネットワーク設定費用
サーバー設定の他にネットワーク設定も必要です。
サーバーからインターネットや他の業務サーバー・オフィスPC、社員のモバイル端末に接続できるように、IPアドレスの設定や、ルーター・ファイアウォールサーバー等の設定変更を行います。
ネットワーク設定費用の相場は5万円~となっています。
既存のネットワークが複雑な場合や、支店などの他拠点へ接続が必要な場合は費用が高額になることがあります。
サーバ保守費用
サーバー構築後は、サーバーの保守・運用・監視が必要です。
サーバーはサービスを提供するため24時間365日安定して稼働していなければなりません。
サーバーの故障やトラブルに備えて、サーバー管理業者と保守契約を結びます。
サーバー保守に掛かる費用は、構築費用の10~15%程度が目安です。
構築した企業以外にもサーバー管理を専門にしている業者への委託も可能となります。
しかしその際は別途調査費用などのイニシャルコストが掛かる場合があるので注意しましょう。
サーバー保守の方法
続いてサーバー保守の方法について解説します。
自社の予算や社員のスキル・人数に合わせて適切な保守方法を選びましょう。
ベンダーや代理店へアウトソースする
一つ目はベンダーや代理店へサーバー保守をアウトソースする方法です。
上記のような会社は、カスタマーサポートやエンジニアが24時間体制で対応できる環境を構築しており、システム障害対応に迅速かつ正確な技術サポートを受けられるメリットがあります。
ただし、アウトソーシング先と月額または年間契約が必要でコストが比較的高くなる傾向にあります。
また、外部に依存することでシステムのブラックボックス化や情報流出のリスクも考慮する必要があります。
ただし、自社で専門的な知識を持ったリソースが確保できない場合は、アウトソースする方法が最も適していると言えるでしょう。
社内のサーバーエンジニアが担当する
二つ目は、社内のサーバーエンジニアが対応する方法です。
社内の人員でシステム保守を対応するため、コストを抑えることが可能です。
また、社員のスキルアップや、他社を介さないため障害時のシステム早期復旧が期待できます。
しかし、サーバーに関する専門知識やスキルが必要であるほか、夜勤・休日出社など担当者のライフワークバランスを崩してしまう恐れがあります。
専門的な最新情報を常に収集したり、ノウハウを得ようとおもうと、1社のサーバエンジニアでは限界がありますから、外部の力を借りることは必要になってくるでしょう。
スポットで保守対応を依頼する
三つ目は、外部業者にスポットで保守対応を依頼する方法です。
スポット対応の場合、トラブルやサーバー改修など必要になった際に都度業者へ依頼を行います。
1回当たりの料金は高額になりますが、年に数回程度など依頼回数が少ない場合は、定額制の保守費用よりも料金を抑えることが可能です。
保守費用の節約方法と最適化
ここまで、サーバー保守費用について解説してきました。
サーバー保守費用は毎月発生するため、長期的に見ると高額な金額となってしまいます。
そこで、サーバー保守費用の節約方法やコストを最適化する方法についてご紹介します。
定期的に依頼内容を見直す
定期的に保守の依頼内容の見直しを行いましょう。
保守契約には、緊急時のトラブル対応の他に毎月の定期レポートやバックアップ取得などの対応が含まれている場合があります。
バックアップ取得や平日日中帯のトラブル対応など、自社で対応できることは内製化を行うことでコストを削減することが可能です。
アウトソース先を見直す
発注先を見直すことも保守費用の節約・最適化には有効です。
例えば、クラウド型サービスや自動化ソフトなどは日々進化しています。
新たな技術を利用することで低価格・高品質でサービスを提供できる企業があるかもしれません。
既存アウトソース先との保守契約更新時期にアウトソース先の見直しをすると良いでしょう。
ただし、コストだけを見てしまうと、低品質なサービスを提供する業者も)いるため、企業実績や口コミなどを確認しましょう。
補助金を利用する方法
サーバーの保守費用を抑えるには、国や行政機関の補助金を利用する方法もあります。
それぞれ見ていきましょう。
参考:経済産業省・中小企業庁「ミラサポplus(中小企業向け補助金・総合支援サイト)」
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がITツールやシステムを導入するための補助金です。
サーバー構築や保守に関連するシステムの導入にも利用可能で、特にデジタル化を推進するプロジェクトに有効です。補助額は最大450万円・補助率1/2以内となります。
ただし、本補助金を活用するには、IT導入支援事業者として登録を受けた事業者から購入する必要があるため注意しましょう。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、製造業を中心とした事業者が生産性向上に必要な設備投資を行う際に利用できる補助金です。
サーバーやネットワークシステムの構築に関わる投資も対象となる場合があります。最大補助額は5000万円で、補助率は1/2または2/3となります。
ただし、あくまでも「ものづくり」に関する補助金であるため、補助金の要件を満たしているか確認する必要があります。
持続化補助金
持続化補助金は、事業の持続的な成長をサポートするために提供される補助金です。
サーバーの保守やセキュリティ強化など、事業の安定化や効率化に繋がる場合に利用することができます。
最大補助額は200万円で、補助率は1/4となります。複数事業者が連携する場合は500万円になる場合もあるため、補助金対象であるか商工会議所に相談してみましょう。
サーバー構築・保守業者選びのポイント
最後に、サーバー構築・保守業者選びのポイントについて解説します。
構築だけでなく保守も任せられる業者を選定
サーバー構築から保守までトータルでサポートしてくれるシステム開発会社を選びましょう。
構築から携わっているため、システムの特性や機能をもっとも理解している会社となります。
提案力を重視する
業者選びは提案力のある企業を重視しましょう。
同じシステム・見た目でも、サーバー設計によって納期やコスト・性能は大幅に変わります。
自社のニーズに合わせて最適な提案をしてくれる企業を選びましょう。
実績・事例がある業者を選ぶ
業者のホームページやパンフレットなどから、実績・事例についてチェックしておきましょう。
実績・事例がある業者は、その分野における専門的な知識やスキルがあり、安心して依頼することができます。
サーバの運用保守は適正価格を知ることが大切!
ここまで、サーバ構築や保守にかかる費用やコストを抑える方法について解説しました。
サーバー構築にはソフトウェアの設定費用や人件費が掛かり、構築後も保守費用として月額費用やスポット費用が発生します。
毎月の保守費用を削減するためには、自社で保守体制を構築することや、定期的な外注先との保守契約の見直しが効果的でおすすめです。
自社の予算や社員の業務量・スキルに合わせて適切な依頼先・契約方法を選択しましょう。
ITボランチは、中小企業向けにサーバー構築から運用保守まで幅広くサポートしており、多数の導入事例・実績がございます。サーバーの運用保守業務のアウトソースや改善を検討している場合、まずはその適正価格を知ることがスタートです。
不安なことや不明点があれば、ITボランチは初回相談が完全無料ですのでお気軽にご相談ください。