業務に最も支障が出るトラブルの一つとして、インターネットの速度が突然遅くなるという問題があります。
現在の業務状況を考えても、AWSをはじめとしたクラウドと接続する作業が増加傾向にあります。そんな中で、インターネット速度が遅くなると業務に大きな支障が出てしまい、各部署からクレームが上がり大混乱を招くことになりかねません。
また、テレワークを継続している企業などはファイルサーバに書類をおいており、業務を進めるにはファイルサーバへの接続が必須であるという企業も多いと思いますがネットワークが遅かったり、接続できないと業務が止まってしまいます。
今回の記事で事前にいくつかのトラブル対応策を準備しておき、いざという時に対応できるようにすることが重要です。
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Contents
インターネットの速度が遅い4つの原因
インターネットが遅くなった場合、まず原因がどこにあるのか見当をつけることが重要です。
ネットワークについて詳しく学んでいけば一つずつ可能性を潰していき、原因を突き止めるという方法もありますが、まずは大まかな検討のつけ方を身につけましょう。
基本的にインターネットが遅くなった場合は、次にご紹介する4つのうちのどれかが原因であることがほとんどです。
原因探しのために、まずはこの4つを確認することから始めましょう。
パソコン本体の問題
インターネットの基本的な原理は、パソコン(PC)からネットワークへデータを送ることです。
命令などのデータを送ったり、受信したデータを人間が確認できる形に変換したりする作業が必要になるのです。
この作業が遅れてしまうと、インターネット自体には問題がなくとも使用している人にとってはインターネットが遅く感じられますので、社内問い合わせ窓口などに届く声は「ネットが遅くなった」と言われます。
パソコンが原因であるかの判断は、周囲の人も同様にインターネットの遅さを感じているのかを聞いてみることが最もメジャーな方法です。
回線が異なったり拠点が異なると、こちらで動作確認ができませんので同環境で作業を行っている人にも聞いてみることが良いです。
同環境で作業している人も重さを感じている場合、他に原因があるのでパソコンには問題ありませんという回答もできます。
インターネット回線の問題
プロバイダへつながる前のインターネット回線に問題がある場合、社内全体や特定の拠点のインターネット回線に問題があるということを疑うことができます。
スイッチなどの機器に問題がある場合、管理画面にログインすることでエラーが出ているかを確認することができるので即座に対応することができます。
また、通信するデータ量が一時的に増えてしまい回線が遅くなるケースもあります。この場合は、Wiresharkなどのパケットキャプチャを取ることによって、どこで遅延が生じているのかを調べることができます。
パケットキャプチャを取った際に、大量のパケットロスが起こっていた場合は処理速度が不足しているケースがありますので機種を交換する対応となりますが、原因を探るには避けては通れない作業となります。
プロバイダの問題
プロバイダで何かしらのトラブルがあった場合には、インターネット全体が遅延する可能性があります。
プロバイダ原因の場合はこちらで調査しようがありませんので、プロバイダへ直接問い合わせを行いましょう。
回線の契約プランにもよりますが、独自回線ではなくベストエフォート型で契約している場合には、地区でインターネットの使用が増加した際に低速になることもあります。
最近ではリモートワーク(在宅勤務)の増加により想定以上にインターネットを使用することも増えてきているため、遅延の原因となっていることが多くみられます。特に一般的に自宅のネット回線は工事不要で入れるマンションタイプの光回線だったりすることが多いと思いますが、その場合はベストエフォートとなり、通信速度が保証されませんので、注意が必要です。
その他接続機器の問題
接続機器の故障によりインターネットが低速になる場合の多くは、LANケーブルの断線や接続部分の爪折れ、もしくはハブの故障によるものです。
座席の島全体で遅延が生じている場合はハブの交換、PCの故障ではないが個人で遅延が起こっている場合はLANケーブルの交換を行ってみましょう。
散々原因を探ってみてもわからず、途方に暮れている時に実はケーブルが切れていた、なんてこともよくある話です。
そのため、まずは疑ってみる項目の一つになります。
インターネットの速度が遅い原因の対処法
原因にある程度目星がついたら、今度は改善に向けた作業を行うこととなります。
ほとんどのケースが下記の対応法で解決することと、もし解決しない場合は長期戦となりますので業者との連携も必要となってきます。
しかし、基本的には下記の対応で解決しますので、しっかりと覚えて実践できるようにしましょう。
パソコンの再起動・不要なデータの削除
パソコンが原因の場合の多くは、再起動により解決します。
再起動でどれだけ変わるのかと疑問を持たれる方も多いかもしれませんがアプリの起動に失敗していたり、長期にわたりスリープやリモートの接続先で電源を入れっぱなしにしていた場合はキャッシュが蓄積されて動作が重い場合があります。
また、不要なデータやアプリがCPUやメモリを逼迫してしまい、PCが遅くなっているケースもあります。
パソコン内の整理を行なってもらうことも対策の一つと言えます。
パソコンのOSのアップデート
パソコンが原因の場合で、アップデートを行なっていないためインターネットが遅くなることがあります。
起動やシャットダウンの際に時間がかかるためにOSのアップデートを先延ばしにしてしまう方もいらっしゃいますが、バージョンによっては不具合を持っているものもあるためアップデートを行なってもらいましょう。
OSのアップデートは破損したプログラムファイルを修復してくれる役割もあるため、あまりアップデートを行わない職場の場合は効果的な対策方法だと言えます。
LANケーブルの使用状態を確認する
LANケーブルが破損してインターネットに接続できないことは多々あります。そのため、トラブルが起きた際に確認したい箇所の一つでもあります。
また、プロジェクトによっては複数の異なる回線を使用していることもあるのですが、複数LANを接続してループが発生してダウンしているケースもあります。ループはよくあるネットワーク障害ではありますが、特定しずらいことから対応に時間がかかってしまいます。
複数のLAN接続は徹底した管理ができない場合、ループの原因にもなるので使用は控えた方が良いです。
もしループが発生している場合は徹底した注意を行うべきですね。
無線LANの場合、有線LANにしてみる
オフィス内で無線LANを使用することは便利に感じるかもしれませんが、無線LANで障害が起こっている場合もあります。
電波を拾いインターネットを繋いでいるので、間に遮断するものがあればインターネットは遅延してしまいます。
また、有線で問題がない場合はAPの故障を疑ってみるということもできますので、無線LANでインターネットが遅いと感じる場合、多少不便かもしれませんが有線LANを使用してもらいましょう。
また、昨今はLANケーブルを接続する際にアダプタが必要になる機器も増えてきています。
貸出用のLANアダプタを常備しておくというのも大切なトラブル対策となります。
自宅の場合はルータなどの機器が古くなりすぎている可能性もあります。機器が以前の規格しか対応していなかったりすると、高速なネット回線であっても自宅内では速度が制限されてしまいますので、遅いと感じていることもあります。その場合は機器の買い替えを検討しましょう。
ルーターの設置場所を変える・再起動
無線ルーターを使用している場合、設置場所を変えることで電波が届きやすくなる可能性があります。
座席によって電波が届きにくいケースもありますので、遅延を訴えている人に席を移動してもらい試してみるとルーターの場所が原因なのかがわかります。
また、ルーターも再起動を行うことで改善するケースがあります。
メンテナンス時などに再起動をかけておくと未然にトラブルを防止できることもあるので、忘れずに再起動を行いましょう。
プロバイダの見直し
プロバイダ選びで料金のみを気にしてしまいがちではありますが、実は処理できるデータ量や補償などを考えると安ければ良いというわけにはなりません。
一度しっかりと契約プラン内容を確認し、仕事として日中に安定して常時使用することを想定して、契約するプロバイダを見直すことも大切です。
インターネット回線の見直し
プロバイダ同様に、インターネット回線も見直してみましょう。
遅延が起こっている場合、インターネット回線が原因でもベストエフォート型の場合は何の保証もしてくれません。
太い回線を選ぶことや、遅延が起こった際に補償してくれる契約にすることも検討してみましょう。
企業によっては、テレワークの場合にインターネット回線にかかる費用を補助してくれるケースも多いようですし、中にはモバイルWi-Fiルーターも貸し出してくれる企業もあるようなので、お勤めの会社でどのような制度があるかを確認されることをおすすめいたします。
インターネットの再接続
インターネット接続に失敗している場合は、再接続を行うことで解決することもあります。
リモート環境のキャッシュクリアも行える場合もあることから、ユーザーには試して欲しい項目と言えます。
お問い合わせや相談
インターネットも自社で全て管理できているわけではないので、利用しているサービスに該当するベンダーに問い合わせや相談をしてみましょう。
ベンダーでは同じようなトラブルに対処しているケースも多くあることから、解決のための的確なアドバイスをくれることも多いです。
用途別インターネット速度の目安
インターネットで遅いと感じる速度はどの程度なのかをあらかじめ理解しておきましょう。
速度計測を行なっても基準がわからなければあまり意味はありません。
どの程度の速度でストレスなくインターネットを利用できるか、感覚を掴みましょう。
WEBサイトの閲覧
サイトによって異なりますが、基本的には1Mbpsから10Mbpsもあれば視聴にストレスがないとされています。
これは開発環境やデータ量にもよりますので幅がありますが、基本的には上記の速度があればストレスを感じることは少ないと言えます。
動画視聴
こちらもどのような動画を見るのかという点で、大きく分かれます。
YouTubeなどの動画はある程度動画の重さが揃っていますが、映画などをストリーミング再生する場合はある程度の速度が必要となります。
基本的には、5Mbpsから30Mbp程度の速度が出ていれば問題がないとされています。
クラウドサービス利用
近年AWSなどのクラウドサービスが増加していますが、クラウド上で作業を行う際には10Mbpsもあれば十分作業はできます。
しかし、大容量のデータをやり取りしなければならない場合には、そのデータに見合った通信速度が必要であることは押さえておきましょう。
SNS
文字や画像のみを閲覧する場合は1Mbpsもあればストレスなく利用することは可能です。
しかし、動画となると5Mbpsは欲しいところです。
これもTwitterなどのあらかじめ画質を落とされている場合であり、インスタグラムなどの高画質な動画を提供しているサービスの場合は、それ以上の速度が必要となります。
ゲーム
オンラインゲームを行う場合は、100Mbpsは欲しいところです。ただし、目まぐるしくポートを変更するなどの特殊な処理を行うこともあるので、実はネットワークが原因ではなくパソコンのスペック不足だったということも多いことも覚えておきましょう。
インターネットの速度測定サイト3選
では実際に、インターネットを測定する際によく使用されるサイトを3つご紹介していきます。
トラブルシューティングの際にご活用ください。
ネット速度は上りと下りがありますが、そのどちらも測定できますので、用途別に必要な上り下りの速度を確認しましょう。
FAST.com
直感的に使用できることで人気を集めている速度測定サイトです。
シンプルな表示でもありますので、「まずは速度を知りたい!」という方にはうってつけのサイトです。
USEN GATE 02
USENのサイト内にあるため、直感的に操作とはいけませんが、今の環境でどのような作業ができるのかを教えてくれるサイトです。
例えば、「ビデオ通話は快適にできるがオンラインゲームは少しストレスがある」などという目安を一覧で示してくれるので、速度のイメージがわきやすいといえます。
Googleの検索窓
Google検索で「スピードテスト」と入力すると、速度測定が行えることをご存知だったでしょうか?
普段使用しているGoogleだからこそ、使いやすい速度測定だと言えます。
それでもインターネットの速度が遅いなら天気を確認
インターネットの遅延原因がどうしてもわからない。しかし、日によって解決する場合は天候が原因かもしれません。こちらについては対策を講じることは難しいのですが、速度低下の原因の一つとして天気も考慮しましょう。
電波が弱くなっている
モバイルWi-fiやスマートフォンなどは、基地局から電波が送られてきます。
電波は水に吸収されてしまうという特性があるため、雨が降ると電波が弱くなってしまうという性質があります。
オフィスなどの障害物が多い場所では、これらの原因があるかもしれません。
利用者の増加による回線混雑
雨が降ると家に引き篭もりがちになります。そのため、普段よりも回線を使用する人が増加してしまいネットワークの速度低下が起こることがあります。
これも、天気によって起こるインターネット回線速度の低下の原因となるケースもあります。
通信障害
大雨により基地局に障害が発生することがあります。
また、基地局で停電が起こった際には予備電源は完備されているものの、ネットワークの遅延が生じることもあります。この場合、契約している業者に直接問い合わせてみる方法もあります。
ネットワークトラブルで困ったときは、ITボランチにご相談ください
突然発生するインターネットが遅いというトラブルを解決するには、原因を特定することが重要です。
実際にどこに障害が発生しているのかを切り分けることはそれほど難しいことではありません。その上で原因にひもつく対処法を理解し、突然のトラブルにも対応できると、解消するまでの時間が大きく短縮できます。インターネットが遅いと思っていたら、社内のネットワークや自宅のWi-Fi環境に問題があったというケースもよくあります。
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