
中小企業においては、情報システム部門が存在しないケースも多く、パソコン管理を兼任している方にとって「Windowsのアップデート」は悩みの種になりがちです。Windowsアップデートを放置すると、セキュリティ上のリスクや業務への悪影響が発生する可能性があります。
この記事では、Windowsのアップデートの種類や目的、更新しないことで起こり得るリスク、そして企業としてどのように管理すべきかを、IT担当がいない企業の方向けにわかりやすく解説します。
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Contents
Windowsのアップデート(更新)とは
企業におけるパソコン管理で見落としがちなのが、Windowsのアップデートです。アップデートは大きく分けて「機能更新プログラム」と「品質更新プログラム」の2種類があり、それぞれに重要な役割があります。
Windows Feature Update(機能更新プログラム)
機能更新プログラムは、Windowsに新しい機能を追加したり、使い勝手を向上させるためのアップデートです。年に1〜2回の頻度で提供され、例えばデザインの変更や操作性の改善、新しいセキュリティ機能の追加などが含まれます。
これらの更新により、業務効率を高める新機能を使えるようになったり、古い機能の見直しが行われたりします。ただし、機能更新は比較的サイズが大きく、アップデートに時間がかかることもあるため、計画的な対応が必要です。
Windows Quality Update(品質更新プログラム)
一方、品質更新プログラムは主にセキュリティの修正やバグの改善を目的としたアップデートで、毎月定期的に配信されます。こちらは比較的軽量で、自動的にインストールされることが一般的です。
業務中に突然再起動がかかってしまうのは、この品質更新が原因の場合もありますが、セキュリティ対策として非常に重要な役割を果たしています。
なぜWindowsのアップデート(更新)が必要なのか
Windowsのアップデートを定期的に行うことで、パソコンを最新の状態に保ち、サイバー攻撃から守ることができます。近年は企業を狙ったランサムウェアや標的型攻撃が増加しており、OSの脆弱性を放置することは大きなリスクです。
特に情報システム部門が存在しない中小企業では、知らないうちにセキュリティホールが放置され、被害にあってしまう可能性もあります。日頃からアップデートを意識することが重要です。
Windowsをアップデート(更新)しない場合のリスク
Windowsのアップデートを怠ると、セキュリティ上の問題だけでなく、業務に支障をきたすさまざまなトラブルが発生する可能性があります。
脆弱性を狙ったサイバー攻撃などセキュリティリスクが増大
Windowsは世界中で使われているため、攻撃者にとって非常に魅力的なターゲットです。マイクロソフトは、発見された脆弱性に対応するために、更新プログラムを随時リリースしています。これらを適用しないままでいると、修正されていないセキュリティホールを突かれてしまう危険性が高まります。
OSやシステムが不安定になりパソコンの挙動に影響
アップデートには、セキュリティ面だけでなく、システムの安定性を高める修正も含まれています。更新しないまま使用を続けると、パソコンが遅くなったり、アプリケーションが正常に動作しなくなったりすることがあります。
最悪の場合、起動しなくなるなどの重大な障害に発展するケースもありますので、定期的な更新が推奨されます。
Windowsの公式サポートが受けられなくなる可能性
マイクロソフトの公式サポートを受けるためには、サポート対象のバージョンを使用している必要があります。更新を放置してサポート期限を過ぎたバージョンを使い続けると、トラブルが発生しても解決方法が提供されない可能性があります。
Windowsをアップデート(更新)する際の注意
アップデートは重要ですが、いくつか注意すべきポイントがあります。業務に支障を出さないよう、以下の点に留意しましょう。
アップデート中はパソコンが使えない
特に機能更新プログラムは、インストールと再起動に10分以上かかる場合があります。業務中に実施すると作業が止まってしまうため、「アクティブ時間」を適切に設定し、就業時間外に更新されるように調整しましょう。
ソフトウェアや周辺機器が使えなくなる可能性がある
アップデート後、古いソフトウェアやプリンターなどの周辺機器が動作しなくなる場合があります。これは互換性の問題や、ドライバの未対応が原因です。しかし、アップデートを避け続けるとセキュリティ面でのリスクが高まるため、もし周辺機器が使えなくなってしまった場合は、最新バージョンへの対応や置き換えを検討することが望ましいです。
アップデートでパソコンに不具合が生じることがある
すべての環境に完全に対応したアップデートを提供することは難しく、まれに不具合が発生することもあります。アップデート前には必ず重要なデータのバックアップを取っておきましょう。
Windowsのアップデート(更新)だけではセキュリティ対策が充分とは言えない
アップデートを行うことで多くのリスクは軽減されますが、サイバー攻撃は日々巧妙化しています。特にゼロデイ攻撃と呼ばれる、更新プログラムが提供される前の脆弱性を狙った攻撃に対しては、アップデートだけでは防げません。
ウイルス対策ソフトやファイアウォールの導入、フィッシングメールへの注意喚起など、包括的なセキュリティ対策が不可欠です。
Windowsアップデート(更新)を各従業員に任せるのは難しい
情報システム部門がない企業では、アップデートを各従業員任せにしていることがほとんどです。しかし、多くの従業員は、アップデートが必要なことを知らなかったり、通知が出ても「後で」と先送りしてしまいがちです。また、「パソコンの調子が悪くなったらどうしよう」といった不安から、アップデートを避けてしまうケースもあります。
会社から従業員へ通知をしてアップデートを促す、アップデートに関するルールを設ける、管理ツールを活用する、など確実にアップデートがされるような対策が必要です。
社内のWindowsアップデート(更新)を管理する方法
パソコンの数が多くなるほど、アップデートの管理は複雑になります。以下の方法を活用することで、効率的にアップデートを管理できます。
業務時間外にアップデートするように設定
Windowsでは、アクティブ時間を設定することで、業務時間中のアップデートを回避できます。また、再起動のタイミングもユーザー側で調整可能なため、業務への影響を最小限に抑えることができます。
IT資産管理ツールを利用して一括管理
専用のIT資産管理ツールを使えば、全社的にWindowsアップデートの状況を把握し、一括で制御することが可能です。クラウド型管理ツールを導入することで、効率的な管理とセキュリティ対策の両立が図れます。
Windowsアップデート(更新)は会社の一括管理がおすすめ
Windowsアップデートは、企業のセキュリティと業務安定性を保つ上で非常に重要です。しかし、各従業員に任せきりにすると、更新漏れやトラブル発生のリスクが高まります。
特に情報システム部門がない企業では、外部のITサポートサービスを検討し、アップデートを計画的に実施することが求められます。会社として一括管理することで、従業員の負担を軽減しながら、セキュリティと生産性の両立を実現しましょう。