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企業にとって重要なパソコンのデータ完全消去の方法とは

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企業にとって重要なパソコンのデータ完全消去の方法とは

企業でパソコンの買い替えや廃棄を進める際、「どのようにデータを消せば安全なのか」という不安を持つ担当者は多いのではないでしょうか。
近年は情報漏えいによる企業の信用失墜や損害賠償が大きな問題となるケースも増えています。そのため、パソコンを処分する前に適切な方法でデータを完全に消去することは、企業にとって強く求められる重要な業務です。

本記事 では、パソコンのデータ消去が必要な理由から具体的な方法、さらに業者へ依頼するメリットまで、企業担当者向けにわかりやすく解説します。

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パソコンのデータ消去が必要な理由

企業で使用していたパソコンには、日々の業務で扱ったデータが多く保存されています。パソコンを破棄したり、外部へ譲渡・売却したりする際には、データを完全に消去することが求められます。

個人情報や機密情報が含まれている可能性がある

企業のパソコンには、顧客の個人情報、取引先の情報、社内資料など、重要なデータが保存されている可能性があります。表面上は「不要なパソコン」であっても、内部には企業運営に関わる機密情報が残っているケースが多いです。

情報漏えいや悪用のリスクがある

消去が不十分な状態でパソコンを手放すと、第三者にデータが復元され、情報漏えいや不正利用のリスクが生まれます。
特に企業の場合、情報漏えいによって信用問題や損害賠償などにつながる恐れがあります。

パソコンのデータ消去とは

一般的に、「ファイルを削除した」「ゴミ箱から消した」「初期化した」といった操作では、データは完全には消えていません。見た目上は消えたように見えても、保存領域にはデータの痕跡が残っており、復元ソフトを使えば取り出せる状態です。

ゴミ箱削除や初期化では復元される可能性がある

通常の削除操作やOSの初期化機能では、確かにファイルやデータが消えたように見えますし、アクセスも出来なくなります。しかし、データの痕跡が残っているため、専門ソフトを使用すると復元されてしまいます。

故障したパソコンでもデータは残っている場合がある

パソコンが起動しない、壊れてしまったという場合でも、ストレージ(HDD・SSD)内部にデータが残っていることがあります。故障=データが消えたというわけではないため、破棄前には必ず適切な消去が必要です。

パソコンのデータ消去の方法

データを完全消去する方法はいくつかあり、自分で行うことも可能です。

データ消去ソフトを使用する

データ消去ソフトは最も一般的な方法の一つで、無料のものから有料版まで幅広く提供されています。
ハードディスクに物理的な損傷を与えず、データを完全に消去できることが大きなメリットです。

多くのソフトでは、データを複数回にわたり上書きする「多重上書き方式」を採用しており、この処理によってデータが復元できない状態になります。企業で台数が多い場合や外部へ譲渡を行う場合にも適した方法です。

Windows11の搭載機能を使う

Windows11には「PCをリセットする」機能が標準搭載されています。オプションで「すべて削除する」を選択することで、内部データを初期化できます。

ただし、この方法は上書き処理が1回のみの場合が多く、データが完全に消えたとは言い切れません。強固なセキュリティが求められる法人用途では、追加の上書き処理や消去ツールの併用が推奨されます。

物理的に破壊する

ハードディスク内部の記憶部分を、トンカチなどの工具で物理的に破壊する方法です。
道具があれば無料で実施でき、データの復元がほぼ不可能になるため、個人でも手軽にできる対策です。

しかし、以下の注意点があります。

  • 譲渡・売却はできなくなる
  • ハードディスクはケースが頑丈で破壊が難しいことがある
  • SSDの場合、複数のチップを完全に破壊しなければデータが残る可能性がある

完全破壊を行うには相応の知識や力が必要なため、企業で大量に廃棄する際には負担が大きい方法です。

電磁消去を行う

電磁消去は、強力な磁気を利用してハードディスクの記憶領域を一瞬で破壊し、データを読めない状態にします。
非常に高い効果がありますが、一般家庭や企業が用意できる磁気装置では不十分な場合が多いため、専門業者が持つ専用機器を利用するのが一般的です。

パソコンのデータ消去を業者に依頼する

企業のパソコン廃棄は台数が多く、種類もさまざまです。自社で全台を安全に消去するには、相応の手間と知識が必要です。
専門業者に依頼することで、短時間で確実にデータを消去でき、担当者の負担を大幅に減らせます。

証明書を発行してくれる業者なら法人向き

データ消去の作業後に「データ消去証明書」を発行してくれる業者であれば、監査対応や会社のセキュリティポリシーにも適した形で処理できます。
企業としての説明責任を果たす意味でも重要です。

処分や買取もまとめて依頼でき便利

業者の中には、データ消去と同時にパソコンの引き取りやリサイクル、場合によっては買取まで行ってくれるところもあります。
社内で廃棄物処理の手続きを別途行う手間が省けるため、担当者にとって非常に便利です。

企業がパソコンを廃棄する場合の注意点

企業のデータ漏えいは大きな社会問題につながります。
パソコンのデータ消去は、「単なる廃棄作業」ではなく、企業の法的・社会的責任と直結する業務として扱うべきです。

情報セキュリティポリシーに基づき手順を整備する

社内で統一されたルールがなければ、部署によって方法が異なったり、十分な消去がされなかったりする危険があります。
情報セキュリティポリシーに基づき、データ消去・廃棄の標準手順を整備しておくことが大切です。

専門業者と契約し証明書付きの消去を依頼する

監査対応や社内報告のためにも、証明書付きの業者を選ぶのが安心です。
複数台の廃棄が必要な企業ほど、外部委託のメリットが大きくなります。

データ消去のログや報告書を社内で保管

適切に消去した記録を残すことは、後々のトラブル防止につながります。
業者の証明書だけでなく、社内でも日付・台数・処理内容を記録した報告書を保管しておきましょう。

パソコンのデータ消去で注意すべきこと

初期化するだけでは完全消去にならない

初期化は便利な機能ですが、安全性という面では不十分です。
特殊なソフトウェアを使えばデータが復元される可能性があるため、機密性の高い情報を扱う企業では控えるべき方法です。

データのバックアップを取る

完全に消去を行う前に、必要なデータを別の媒体へバックアップしておきましょう。
消去後にデータを復元することはできないため、業務に必要なデータが残っていないか、事前に十分確認することが大切です。

まとめ:企業においてパソコンのデータ完全消去は非常に重要

企業のパソコンには、外部に漏れてはならない重要なデータが数多く保存されています。
そのため、パソコンを廃棄したり譲渡したりする際には「完全なデータ消去」が不可欠です。

自社で消去ソフトや初期化機能を使う方法もありますが、確実性や効率を考えると専門業者へ依頼する選択肢は大きなメリットがあります。特に証明書を発行してくれる業者であれば、企業としての責任を果たしつつ、安全に処理を進めることができます。

企業のセキュリティを守り、情報漏えいのリスクを防ぐためにも、適切なデータ消去の方法を選び、安全なパソコン廃棄を徹底していきましょう。

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