
インターネットは、私たちの日常生活に欠かせない存在となっていますが、その回線には多くの種類があり、それぞれ特徴や利用シーンが異なることはご存知でしょうか。
本記事では、光回線やモバイル回線をはじめとした主なインターネット回線の特徴をわかりやすく解説し、あなたにぴったりの回線を選ぶためのポイントをお伝えします。
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Contents
インターネット回線の種類
光回線
光回線の「光」とは「光ファイバーケーブル」のことです。したがって、光回線は光ファイバーケーブルを用いた通信回線です。光ファイバーケーブルは、ガラスや樹脂でできた細い繊維で、電気信号を光信号に変換して伝送します。
光ファイバーケーブルの基本構造は、中心部のコアとその周囲を囲むクラッドの二層構造になっていて、コアが光を通し、クラッドが光を内部に反射させます。
光ファイバーケーブルには、銅線中の電気信号に比べて減衰しにくいという特徴があります。そのため、物理的な距離の影響をほとんど受けません。
光回線は、モバイル回線、CATV回線、ADSL回線と比べて高速かつ大容量のデータ通信が可能です。
光回線の最大通信速度は、基本的に1Gbpsから10Gbpsの範囲です。多くの光回線サービスでは、最大通信速度が1Gbpsとなっていますただし、これは技術規格上の最大速度(理論値)であり、実効速度ではありません。
光回線を提供する事業者には、NTT東日本・NTT西日本の「フレッツ光」、NTTドコモの「ドコモ光」、KDDIの「au光」などがあります。
光回線のメリットは、先に述べたように高速通信であること、伝送損失が少ないため、通信が安定していることが挙げられます。また、多くの光回線サービスでは、通信容量については実質的に無制限です。
光回線のデメリットは、専用の開通工事が必要なことです。工事には通常、2週間〜2ヶ月程度工事期間と3〜4万円程度の工事費用がかかります。
光回線に関して、筆者の失敗談があります。マンションから戸建てに引っ越した際に光回線の回線事業者を変更したのですが、工事の期間について考慮していませんでした。その結果、工事の完了が入居してから1ヶ月後になってしまいました。その間、自宅からはインターネットに接続できないという不便を味わったのです。読者のみなさんはこのようなことにならないように気をつけてください。
モバイル回線
モバイル回線の「モバイル」は移動体通信のことです。モバイル回線は、固定されていない無線回線となります。スマートフォンやタブレットなどの携帯端末が移動中でもインターネットに接続できます。
基地局との間で電波を利用してデータ通信を行います。
モバイル回線には「3G」、「4G LTE」、「5G」といった通信規格があり、これらは世代ごとに異なる通信速度や能力を持っています。
自宅のWi-Fiにもモバイル回線が利用可能です。その場合は自宅にWi-Fiルーターを設置します。外出先や屋外に持ち出して使用する場合にはモバイルルーター(モバイルWi-Fiルーター)を使用します。モバイルルーターは小型で持ち運びに適しています。
モバイル回線は電波を利用しているため、サービス提供エリア(基地局からの電波が届く範囲)であればどこからでもスマホやPCで利用できます。
モバイル回線のメリットとして、回線の引き込み工事不要で、初期費用がかからない点が挙げられます。また、外出先でも利用できる柔軟性も大きな魅力です。モバイル回線のデメリットは通信制限や速度制限があることです。
プランに関係なく、一定のデータ通信量を超えると通信速度が低下する制限があります。また、固定回線と比べて、通信速度が劣り、安定性も低くなる傾向があります。さらに、接続可能な端末数に制限がある場合もあり、特に家族全員が同時にインターネットを利用すると、速度低下を体感しやすくなります。
モバイル回線は、外出先でのインターネット通信や、すぐにWi-Fiを使いたい場合に適しています。
モバイル回線の規格の一つとして、WiMAXがあります。同価格帯の他製品と比較して通信速度が速く、最大2.7Gbpsの下り速度を実現します。
大容量データの頻繁なやり取りや安定した高速通信が必要な用途では、固定回線の方が適している場合があります。
CATV(ケーブルテレビ)回線
CATV(ケーブルテレビ)回線は、ケーブルテレビの有線回線を利用した回線です。光回線が利用できない地域・建物でよく利用されます。
CATV(ケーブルテレビ)回線は、主に同軸ケーブルと光ファイバーケーブルを組み合わせて使用します。同軸ケーブルは銅線を含む構造になっています。
CATV回線の構成は以下のようになっています。
ヘッドエンド(放送局)から各家庭付近まで:光ファイバーケーブルを使用
各家庭付近から宅内まで:同軸ケーブルを使用
この構成は「HFC(Hybrid Fiber/Coax)方式」または「光同軸ハイブリッド方式」と呼ばれています。
ただし、最新のCATV回線サービスの中には、「光回線方式(FTTH)」を採用しているものもあり、これらは宅内まで全て光ファイバーケーブルを使用しています。
CATVのインターネット接続速度は、一般的に光回線よりも遅い傾向にあります。具体的な速度は以下の通りです。
最大通信速度:
上り:10Mbps程度
下り:320Mbps程度のプランが一般的
ADSL回線
ADSL回線は、既存のアナログ電話回線(固定電話)を利用して高速データ通信を実現する技術です。ADSL は “Asymmetric Digital Subscriber Line”(非対称デジタル加入者線)の略称です。
通信方式として、電話音声よりも高い周波数の信号を使用してデータ通信を行います。
通信速度には非対称性があり、下り(ダウンロード)と上り(アップロード)の速度が異なります。
下り(受信)速度:1.5~50Mbps
上り(送信)速度:0.5~12Mbps2
ADSLは、既存の電話回線を利用するため、新たな回線敷設が不要で比較的安価に高速インターネット接続を実現できる技術でした。
しかし、現在では光回線の普及により、徐々に置き換えられつつあります。
現在では利用者数は減少傾向にあり2023~2025年までにサービス終了予定です。
なお、新規契約については、すでに2023年7月31日をもって全エリアでの受付が終了しています。
利用しているインターネット回線の調べ方
利用しているインターネット回線の種類は以下の確認方法で調べることができます。
・回線申し込み時の契約書を確認する
契約時に受け取った書類を確認することで、契約日付や契約者名、利用するサービスの内容、プロバイダー名、契約プラン(料金プラン)、契約のタイプ(マンションタイプ/戸建てタイプ)、料金、契約期間などを確認することができます。
・回線の請求書や利用明細書を確認する
毎月の請求書や明細書から、プロバイダー名やサービスの概要がわかります。
・建物内に設置されているモデムを確認する
壁の配線口に接続された箱形の機器を探します。
モデムに記載された情報を確認します。
ADSLと書かれていればADSL回線、ONUかVDSLとあれば光回線です。
・サポートセンターに電話をする
どうしてもわからない場合は、プロバイダーのサポートセンターに問い合わせてみましょう。
プロバイダーは回線と利用者をつなぐ役割を担っているため、契約中の回線サービスに関する詳しい情報を把握しています。
インターネット回線の選び方
対応エリアと物件の設備
光回線の場合、光ファイバーが通っていない地域もあります。建物の設備によって工事が難しい場合や、賃貸の場合は大家や管理会社に許可をとる必要があります。
利用料金
回線使用プロバイダー利用料、通信機器(終端装置など)レンタル料、オプション料などがあります。
光回線の場合、工事費がかかることもあるので事前に金額を確認しておきましょう。
通信速度・安定性
利用方法によりどのくらいの速度が必要か確認、利用者の口コミなどから安定性も確認しておく必要があります。
Web会議システムや動画視聴などは~50Mbpsが目安です。
オンラインゲームなどを利用する場合50~100Mbpsが目安です。
インターネット通信の規格には、IPv4とIPv6の2つがあります。IPv4は32ビットのアドレス空間を持ち、約43億個のIPアドレスを提供できますが、現在ではその枯渇が深刻な問題となっています。一方、IPv6は128ビットのアドレス空間を持ち、約340澗(1澗は1兆×1兆×1兆)個ものIPアドレスを提供可能で、事実上無限に近い数を利用できます。
現在、インターネット回線を選ぶ際には、「IPv4 over IPv6」に対応したプロバイダーがおすすめです。この技術を利用すれば、IPv4対応のサイトとIPv6対応のサイトが混在している現状でも、どちらのサイトにも問題なく接続できます。
サポート体制
回線や接続機器にトラブルや故障が発生した際、迅速に対応してもらえるサポート体制が整っているかどうかは重要なポイントです。
特に法人の場合、業務への影響を最小限に抑えるため、サポートの有無や対応速度を事前に確認しておくことが不可欠です。
インターネット回線の主流は光回線
通信速度が速い
光回線は、他の回線と比べて非常に高速で、大容量データ通信が可能です。最大通信速度は一般的に1Gbpsから10Gbpsの範囲で、動画ストリーミングやオンラインゲーム、大容量デジタルデータの送受信にも最適です。
通信が安定している
光ファイバーは伝送損失が少なく、外部の電磁波の影響を受けにくい性質を持っています。そのため、接続が安定しており、リモートワークやオンライン会議のような安定性が重要な用途に適しています。
通信制限がない
多くの光回線サービスでは、実質的に通信容量に制限がなく、データ使用量を気にせず利用できます。これにより、ヘビーユーザーでも快適にインターネットを活用することができます。
法人用インターネット回線とは?
オフィスでインターネット回線を利用する際には、業務に必要な通信速度を確保することが重要です。
従業員数や業務内容に応じた適切な帯域幅を選択しましょう。安定した通信は、Web会議やクラウドサービスの利用に不可欠です。
このような需要に応えるため、多くの通信事業者やプロバイダーが法人向けインターネット回線を提供しています。
法人向けインターネット回線は、企業の業務ニーズに応じた専用サービスを提供する回線です。会社内のパソコンはLANケーブルでの有線接続、または無線接続で社内のネットワーク(有線LANや無線LAN)につながっています。さらに、LANと外部のネットワークを接続するには、インターネット回線が必要です。法人向けインターネット回線は、高品質な通信サービス、専用のカスタマーサポート、高度なセキュリティ対策、VPNサービス、固定IPアドレスなど、通信環境を効率的かつ安全に構築するための多彩なオプションが充実しています。
インターネット回線は特徴を理解して選択するのがベスト
それぞれの回線にはメリット・デメリットがあり、利用環境や自分のライフスタイルに合わせて選ぶことが重要です。
通信速度、安定性、月額費用、サポート体制をしっかりと比較し、快適なインターネット環境を整えましょう。
ITボランチによくご相談いただくのが、夕方になるとインターネット回線が遅くなる、インターネット回線が突然遅くなってしまうという課題です。実際にインターネット回線が遅くなると業務が円滑に進められないという企業も多いと思います。それほど重要なインターネット回線を安定してご利用できるようにするためには、専門家のサポートが必要です。
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