社内で起きるさまざまな「質問・問い合わせ」。
パスワードの再発行、経費精算のやり方、システムの使い方、申請手続きなど──
どの企業でも日常的に発生する業務のひとつです。
しかし問い合わせが増えると、対応する部署の負担が大きくなり、本来の業務に使うべき時間が圧迫されてしまうことも少なくありません。
また、社員側も解決までに時間がかかり、業務が一時停止するなど、生産性に影響が出がちです。
そこで大切になるのが「社内問い合わせの効率化」です。
本記事では、社内問い合わせが非効率になりやすい理由や、初心者でも取り組みやすい効率化の方法をわかりやすく解説します。
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Contents
社内問い合わせとは?まずは業務の全体像を理解しよう
社内問い合わせとは、従業員が業務を進めるうえで発生した疑問や手続きに関する質問を、社内の担当部署へ連絡して解決する一連の流れを指します。
実はこの「問い合わせ対応」は、複数の部署が関わるため、企業全体の業務効率にも大きく影響します。
どの部署が対応しているのか
社内問い合わせは、1つの部門だけで完結するものではありません。
企業では、以下のようなバックオフィス部門へ問い合わせが分散するケースが一般的です。
- 総務:入退館、備品、社内ルール
- 人事:勤怠、給与、休暇制度
- 経理:経費精算、支払い関連
- 情報システム部門(情シス):PC・アカウント・システム操作トラブル
- その他の専門部署(法務、営業管理など)
部署ごとに対応内容が異なり、処理の仕組みやスピードもバラバラ。
そのため、問い合わせの管理方法が整っていないと「誰が対応しているのかわからない」「回答が遅い」といった問題につながります。
問い合わせが発生する主なシチュエーション
日常業務の中で、社員はさまざまなタイミングで問い合わせを行います。
- パスワード忘れ/アカウントのロック解除
- 経費精算のやり方がわからない
- 勤怠の修正方法を知りたい
- システムやアプリの操作方法を確認したい
- 社内申請・手続きの進め方が不明
- トラブル発生時の対処を聞きたい
こうした問い合わせは緊急ではないけれど今すぐ知りたい内容が多いため、担当部署の対応はつねに求められ、時間を取られがちです。
「問い合わせ管理」の必要性
近年、社内コミュニケーションのチャネルが増えています。
- メール
- チャット(Teams / Slack)
- 電話(内線)
- 口頭
- 社内フォーム
便利である一方、「誰が何に対応したのか」が見えづらくなり、回答漏れや同じ質問が繰り返されるなど、管理が複雑化しやすい状況です。
そのため、問い合わせの内容・件数・担当者などを一元管理し、ノウハウを蓄積する仕組みづくりが非常に重要になります。
社内問い合わせが非効率になってしまう“よくある課題”
社内問い合わせは、企業の規模にかかわらず必ず発生します。
しかし、仕組みやルールが整っていないと、人数の少ない小規模な会社でも担当者・社員の双方にとって負担が大きい業務になりがちです。
ここでは、よく見られる非効率の原因を整理して紹介します。
対応の属人化で業務が止まりやすい
特定の担当者に知識が偏っていると、その人が不在のときに回答できない・対応が遅れる…という状況が生まれます。
「この質問はあの人にしかわからない」という状態は、業務の遅延やミスの原因にもつながりやすく、チーム全体の負担を大きくしてしまいます。
情報が点在しており、社員が自己解決できない
マニュアルなどを準備していても問い合わせが減らない企業の特徴として、
「マニュアルが古い」「どこに情報があるかわからない」「検索しても見つからない」
といった状況が挙げられます。
社員が必要な情報を自分で探せないため、些細なことでも問い合わせが発生し、担当者の時間を奪ってしまいます。
同じ問い合わせが繰り返し発生する
過去に解決した問い合わせ内容が共有されていないと、同じ質問が毎日のように繰り返されます。
担当者はそのたびに回答する必要があり、作業が定型化。
結果として、改善のための時間が確保できず、業務全体が慢性的に非効率になります。
チャネルが多く管理しきれない
メール、Teams、Slack、電話、口頭…
問い合わせが複数チャネルで届くと、対応漏れや重複回答が発生しやすくなります。
また、「誰がどこまで対応したか」が見えづらく、進捗管理にも手間がかかります。
問い合わせ件数が増えるほど、管理コストも増大してしまうのが現実です。
社内問い合わせを効率化するメリット
社内問い合わせを効率化することは、単なる“業務の時短”ではありません。
担当部署・社員・会社全体にさまざまなメリットをもたらします。
対応部署の負担が減り、ストレスが軽減
問い合わせの量が減ったり、対応内容が整理されることで、担当者の精神的・時間的なゆとりが生まれます。「また同じ質問が来た…」というストレスも軽減でき、業務の質も安定します。
問い合わせした社員も迅速に解決でき、生産性が向上
社員が必要な情報をすぐに見つけられれば、担当部署も社員も業務の中断時間が短くなります。
回答待ちで作業が止まることが減り、現場の生産性向上にも直結します。
業務時間を本来の仕事に集中できるようになる
問い合わせ対応に追われていると、バックオフィス部門・情報システム部門の「本来やるべき業務」が後回しになりがちです。
効率化により、企画・改善・会社全体のサポートなど、より価値の高い業務に時間を使えるようになります。
コスト削減・ミス防止・情報共有の質向上につながる
問い合わせ数が減少し、対応時間も短縮されることで、人件費や作業コストの削減につながります。
また、回答内容の標準化によってミスも減り、全社のナレッジ共有や業務品質の向上にも貢献します。
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社内問い合わせ業務を効率化する5つの方法
社内問い合わせの効率化といっても、特別なシステムを用意しなければいけないわけではありません。
まずは「今ある業務のムダを減らす」ところからスタートするだけでも、驚くほど負担が軽くなります。
ここでは、明日からでも始めやすい5つの方法を紹介します。
① マニュアル・FAQを整備して「自己解決」できる環境を作る
問い合わせの多くは、実は「よくある質問(FAQ)」に集約できます。
マニュアルやFAQが整備されていれば、社員が自分で解決できるため、担当者への問い合わせ数は大幅に減ります。
具体例:
- よくある質問をまとめて一覧化する
- マニュアルのリンク切れや古い情報を定期的に更新
- 社内ポータルや専用ページに集約して探しやすくする
ポイントは「どこに何があるか、すぐにわかる状態にする」こと。
まずは頻度の高い問い合わせから記載していくと、少ない工数で効果が出やすくなります。
② 問い合わせ履歴を記録・可視化する
実際に来た問い合わせの内容を「見える化」すると、改善すべきポイントが自然と浮かび上がります。
たとえば…
- 「パスワード関連の質問が毎月多い」
→ 自動化やFAQの充実で削減可能 - 「経費精算の問い合わせが毎回同じ箇所で発生」
→ マニュアル修正や研修が必要
履歴を残すことで、属人化を防げるだけでなく、複数の担当者で交代しながら対応する場合もスムーズに進みます。
③ 返信テンプレートを作成し対応スピードをアップ
よくある回答はテンプレート化しておくことで、対応スピードが大きく向上します。
メリット:
- 担当者ごとの回答内容に差がなくなり、回答の品質が一定に保たれる
- 入力の手間が減り、処理時間を短縮できる
- 修正や更新も全員で統一しやすい
テンプレートはメール・チャットどちらでも有効です。
一度作っておけば長く活用できるため、最も効果の出やすい施策のひとつです。
④ チャットボットやAIを導入して定型質問を自動化
最近は、社内向けのチャットボットや生成AIの導入が増えています。
特に「繰り返し発生する定型的な問い合わせ」の削減に高い効果があります。
活用シーン例:
- パスワード再発行の手順案内
- システム操作方法の検索
- 申請フローの案内
- マニュアル・FAQの内容を自動で引用して回答
AIを活用することで、担当者はより高度な対応に専念でき、問い合わせ全体の質とスピードが向上します。
⑤ 問い合わせ窓口を一元管理する
問い合わせがメール、チャット、電話、口頭…と複数チャネルに散らばっていると、対応漏れが起きやすくなります。
そのため、
- 問い合わせフォームをひとつに統一する
- 問い合わせ管理システムを導入する
- 窓口を“このチャンネルに集約してください”と周知する
などの方法で、一元管理する仕組みを作るのが効果的です。
これにより、 「何の問い合わせが来ているか」「誰がどこまで対応しているか」の把握が簡単になり、社内の連携もスムーズになります。
効率化すべきタイミングは?こんな状況なら要検討
社内問い合わせの効率化は、「必要になってから」動くよりも、早めに手を打つ方が効果的です。
次のような状況が出てきたら、改善を検討するタイミングです。
問い合わせ対応に時間がかかり本業が圧迫されている
問い合わせへの対応時間が増えてしまい、本来の業務に時間が取れない状態が続いているなら、改善が必要です。
問い合わせ件数が増え続け、処理しきれない
社員数の増加や業務の変化により問い合わせが増えてきたら、「仕組みでさばく」ことを意識しないと負担が膨らむ一方となります。
担当者が兼任でリソース不足になっている
総務や情シスなどは兼任が多く、対応が追いつかないケースがよくあります。
属人化が進む前に効率化を進めることで、安定した運用が可能になります。
ミスや回答漏れが起きがちになってきた
慌ただしい状況が続くと、問い合わせの抜け漏れや案内内容のミスなどトラブルにつながることも。
管理の仕組みを整えることで、ミスの防止につながります。
社内問い合わせの効率化には、仕組みづくりが重要
社内問い合わせを効率化するには、「担当者が頑張る」ではなく、「誰でも対応できる仕組み」をつくることが重要です。マニュアルの整備や履歴の可視化、一元管理の導入など、小さな改善でも積み重ねることで、問い合わせ数や対応時間は大きく減らせます。
ただ、仕組みづくり・運用設計・ツール選定をすべて社内だけで進めるのは、負担が大きいのも事実です。
ITボランチなら、情報システムやバックオフィスの課題整理から仕組みづくりまで総合的にサポートできます。
「どこから手をつければいいかわからない…」という段階でも気軽に相談できるため、無理なく、確実に効率化を進められます。














