企業の情報漏えいは、大企業だけの問題ではありません。近年では、中小企業を狙ったサイバー攻撃や、従業員のちょっとしたミスによる情報漏えいが増加しています。
「自社には狙われるような情報はない」「従業員が少ないから大丈夫」と考えている企業でも、一度情報漏えいが発生すれば、顧客からの信頼低下や損害賠償、業務停止など大きな影響を受ける可能性があります。
実際に情報漏えいは、外部からの攻撃だけでなく、メールの誤送信や書類の紛失など、日常業務の中で起こる人的ミスも大きな原因となっています。
この記事では、情報漏えいの主な原因をわかりやすく解説するとともに、今日から見直せる対策について紹介します。
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Contents
情報漏えいの原因とは?
情報漏えいは、大きく「外部要因」と「内部要因」の2つに分けられます。
東京商工リサーチの調査では、情報漏えい事故の約6割がウイルス感染や不正アクセスなどの外部要因によるものであり、残り約4割は誤送信や紛失、不正持ち出しといった内部要因が占めています。
つまり、サイバー攻撃への対策だけでなく、従業員の運用ルールや教育も同じくらい重要だということです。
外部要因
外部要因とは、第三者によるサイバー攻撃など、組織の外部からの攻撃によって情報が漏えいするケースです。
代表的なものには次のようなものがあります。
- コンピュータウイルスへの感染
- 不正アクセス
- 標的型メール攻撃
- ランサムウェア
- サプライチェーン攻撃
近年はAIを悪用したフィッシングメールなども増え、攻撃は年々巧妙化しています。セキュリティソフトだけでは防ぎきれないケースもあり、複数の対策を組み合わせることが重要です。
内部要因
内部要因とは、従業員や関係者、元従業員などが原因となる情報漏えいです。
内部要因には大きく2種類あります。
- 悪意を持った情報の持ち出しなどの「故意」
- メールの誤送信や紛失などの「過失(ヒューマンエラー)」
特に中小企業では、うっかりミスによる情報漏えいが少なくありません。
「社内だから大丈夫」という意識が事故につながることもあるため、日頃からルールを徹底することが重要です。
ウイルス感染・不正アクセス
現在最も多い情報漏えいの原因が、ウイルス感染や不正アクセスなどのサイバー攻撃です。
攻撃者は企業規模を問わず標的を探しており、セキュリティ対策が十分でない中小企業も狙われています。
特に注意したいのが「サプライチェーン攻撃」です。
これは、大企業ではなく取引先である中小企業へ侵入し、その企業を踏み台にして本来の標的へ攻撃を行う手口です。
また、従業員の私物PCやスマートフォンを業務利用している場合、それらの端末からウイルス感染が広がるリスクもあります。
さらに、OSやソフトウェアの更新を怠ると、既知の脆弱性を狙われる可能性が高まります。
サイバー攻撃は年々進化しており、「うちは狙われない」という考えは非常に危険です。
誤表示・誤送信
人的ミスによる情報漏えいで多いのが、誤表示やメールの誤送信です。
例えば、次のようなケースがあります。
- 個人情報を誤ってWeb上へ公開してしまう
- メールの宛先を間違える
- ToとBccを間違えて送信する
- 添付ファイルを取り違える
- 編集前のデータを送付してしまう
どれも日常業務で起こり得るミスですが、個人情報や機密情報が含まれている場合は重大な事故につながります。
送信前のダブルチェックや送信保留機能の活用など、小さな対策の積み重ねが事故防止につながります。
不正持ち出し・盗難
情報漏えいは、従業員による情報の持ち出しでも発生します。
悪意を持って顧客情報や営業資料を持ち出すケースでは、金銭目的や転職先への持ち込みなどが目的となることがあります。
一方で、悪意がなくても、自宅で仕事をするためにUSBメモリへ保存したり、個人クラウドへアップロードしたりするなど、ルールを十分理解していないことによる情報持ち出しも少なくありません。
また、ノートPCやUSBメモリ、紙の書類を入れたバッグを飲食店や駅で置き忘れ、盗難被害に遭うケースも発生しています。
情報の持ち出しルールを明確にし、必要に応じて暗号化やアクセス制限を行うことが重要です。
紛失・誤廃棄
情報漏えいは、不要になった機器や紙媒体の処分時にも発生します。
例えば、データを完全に消去しないままPCやハードディスク、USBメモリなどを廃棄すると、第三者に情報を復元される可能性があります。
また、個人情報が記載された契約書や申込書、伝票などを誤って廃棄したり、紛失したりするケースも珍しくありません。
紙媒体だから安全というわけではなく、情報資産として適切に管理する必要があります。
機器の廃棄時は専門業者によるデータ消去を利用し、紙媒体はシュレッダー処理や溶解処理など適切な方法で廃棄しましょう。
情報漏えい対策の見直し
情報漏えいは完全に防ぐことは難しいものの、適切な対策によってリスクを大幅に減らすことができます。
システムを最新の状態に更新する
ソフトウェアやOSは、時間の経過とともに新たな脆弱性が発見されます。
そのため、WindowsやMacのOSだけでなく、業務システムやブラウザ、セキュリティソフトなども常に最新の状態へ更新することが重要です。
アップデートを後回しにしない運用ルールを整備しましょう。
アカウント管理状況の見直し
退職者のアカウントや不要な権限を放置すると、不正アクセスや情報漏えいの原因になります。
定期的に利用者を確認し、不要なアカウントは削除または停止しましょう。
また、アクセス権限は必要最小限とし、管理者権限を持つユーザーを限定することも重要です。
定期的な社内ルールの見直し
自社が保有する情報資産を整理し、それぞれに適した管理ルールを定めましょう。
例えば、情報の持ち出し方法やパスワード管理、メール送信時の確認手順などを明文化し、従業員全員が理解できるようにすることが大切です。
業務内容や利用システムの変更に合わせて、定期的にルールを見直しましょう。
定期的な社内教育の実施
情報漏えいの多くは、人為的なミスによって発生しています。
そのため、従業員へのセキュリティ教育は欠かせません。
フィッシングメールの見分け方やパスワード管理、情報の取り扱い方法などを定期的に教育することで、従業員のセキュリティ意識を高めることができます。
実際の事例を交えた研修や標的型メール訓練なども効果的です。
低コストで訓練を実施し、社員の行動を数値で確認できます。標的型攻撃メール訓練で、情報漏えいリスクに備えましょう。
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ウイルス対策ソフトや端末を監視して侵入や不審な挙動を検知するEDR、多要素認証、メールセキュリティなどのツールは、情報漏えい対策に大きな効果があります。
ただし、導入するだけでは十分ではありません。
定期的なアップデートや設定の見直し、ログの確認など、継続的な運用を行うことで初めて効果を発揮します。
自社の業務内容や規模に合ったツールを選び、適切に運用することが重要です。
まとめ:情報漏えいの原因を知って業務内容に合った適切な対策を
情報漏えいは、サイバー攻撃だけでなく、誤送信や紛失、情報の持ち出しなど、日常業務の中でも発生します。
特に中小企業では、「狙われないだろう」という油断や、「これくらいなら問題ない」という慣れが事故につながるケースも少なくありません。
まずは、自社でどのような情報を扱っているのかを把握し、外部要因・内部要因の両方を意識した対策を進めることが重要です。
システムの更新やアクセス権限の見直し、社内ルールの整備、従業員教育、セキュリティツールの適切な運用を継続することで、情報漏えいのリスクは大きく低減できます。
情報漏えいは決して他人事ではありません。万が一の事故を防ぐためにも、今一度、自社のセキュリティ対策を見直してみましょう。














